開発秘話⑥「イメージが形になる感動」ハンドルとの奇跡の出会いから約2週間、私の手元に一箱の国際貨物が届きました。早速箱を開けてみると透明の袋が数枚。厚さの違うモノが数セットずつ入っています。「おぉ! 2層構造の袋やぁ!!」(小さい頃、初めてサンタさんにプレゼントをもらった時もこんな感じだったかも。もう何年前だろ・・・泣)袋に水を入れてみると中が別々の部屋になっていて、もちろん触れることも混ざることもありません。そうそうコレコレ!はやる気持ちを抑えきれず、早速発熱剤を使って温めてみることにしました。「BOOM!!」あはは・・・袋に蒸気の抜け穴を開けるのを忘れあえなく破裂。凡ミスです(-_-;) そう、発熱剤からは多量の蒸気が出ます。※実際のご使用時はやけどにご注意下さい。気を取り直し、蒸気穴を開け再チャレンジ・・・「BOOM!!」えっ!?この透明袋はサンプルのために手作業で溶着しており強い圧力には耐えられないのだとか。仕方なく本格的な加熱テストはお預けすることに・・・まぁこれで採寸もできたし、サイズ感も微調整して次はデザインにも取り掛かろう!!と、がぜんやる気に満ち溢れる私なのでした。続く・・・(続けて良いのかなぁ?)
開発秘話⑤「奇跡の出会い」「おにぎりをそのまま温められる2層袋」 を作り始めたものの、肝心のジッパーが付けられないことが判明し”封ができない袋”じゃムリだなぁと、ありったけの”脳みそ”をフル回転させましたが、その後も活路は見出せず・・・小さい頃からあまり勉強してこなかった自分に少し後悔しながら、私の中で半ば諦めムードが漂い始めていました。そんな中、海の向こうのとある食品展示会にて「横からスライドさせるだけで袋を密封できるハンドル」を見つけたのです。設計が行き詰っていた中、まさに”衝撃”が走りました。このハンドルは元々ポテトチップスの袋やお米の袋の中身が湿気るのを防ぐためのもので、スライドさせるだけで誰でもカンタンに密封することができる優れもの。ただ、薄い袋を密封するために設計されており、私の作る「ぶ厚い2層構造の袋」にはきつくて使えません。知人を介し製造メーカーを訪ね交渉した結果、なんと「ぶ厚い2層構造の袋に合うよう設計し直そう」と言ってくれるじゃありませんか!みんな、なんて優しすぎるんだぁ(泣)諦めてなんかいられないと、もう一度気を引き締め直した2019年11月21日の夜でした。※使用後のハンドルは袋の厚みにより、パンなどの袋の密封に使える場合と、そうでない場合があります。続く・・・
開発秘話④「第一の壁」「おにぎりをそのまま温められる2層袋」 の開発を、全面的にバックアップしてもらえることになった私は、早速2層構造を持つ袋の設計図を描き始めました。元々この工場は、電子レンジ用の食品パウチや化粧品の包装、ジュースのパックからふとん圧縮袋まで多彩な実績があり、私の描く設計図に対し細かく助言をくれます。全体のサイズ感、外袋と内袋とのバランス、中に入れる食材の量などを設定し、「さぁこれででいこう!」と意気込んだのもつかの間・・・「袋の両面にジッパーを付けるのは至難の業だよ」とあっさり却下。そうなんです。この2層袋の場合、”真ん中にある1枚のフィルムの両面”にジッパーを付けなければならず、これがカンタンに見えて実はとっても難しい。(みなさん知ってました?袋のジッパー部分って、単純なフィルムと細長ーいジッパーフィルムをくっつけてるんです。そういえば両面にジッパーが付いてる袋見たことないなぁ。)専用の製造ラインを組むとなると費用は・・・到底ムリだぁ(泣)いきなり「第一の壁」にぶち当たり、”ふりだしにもどる”のでした。続く・・・
開発秘話③「断られても断られても」「おにぎりをそのまま温められる2層袋」を作りたい。との想いから人脈をたどりとある工場にやってきたものの、私の書いた袋のスケッチを見るなり「そんなに簡単には作れない」と言うのです。・おにぎりをそのまま温めるのでクリーンルームを完備した製造工場であること →当然です。最低条件です。・食品用のパウチなど生産実績があること(できれば厳しい食品規制があるUSA向け) →生産実績や生産ラインを見ると衛生管理の徹底状況が分かります。・経営者が信頼できる人の工場で生産すること →私も消費者の方に信頼できる製品を販売したいので。が条件だった私は、視察を終えこの3つが整った工場だと確信しましたが、コスト、技術、生産設備などの壁が高く、袋の開発に対し首を縦に振ってくれることはありませんでした。でも私は諦めません!実は言葉は通じないのですが(笑)、黙々と食事に誘い身振り手振り意思の疎通を図った結果、「開発に付き合おう」と言ってくれたのです。さぁ作るぞー!※画像は実際の食事ですがプロジェクト製品とは関係ありません。続く・・・
開発秘話②「単純な袋ではダメなんです」そんなわけで、発熱剤で「手軽に食品を温められるモノ」の開発を始めた私でしたが、思い浮かんだのは”ビニール袋の中で温める”でした。ただ、これまで発熱剤を扱った経験上、発熱剤自体は食べられません。また、反応させた水も飲めません。そんな発熱剤が触れた食品を子供には食べさせられないし、おにぎりもわざわざ別の袋に入れないと温められないし・・・。 (私が少年野球の頃はずっと冷たい梅干しおにぎりだったなぁ。何が何でもおにぎりをそのまま温めてやる!!との想いでwww)そこで思いついたのが・・・「弊社製品サポットと同じ2層構造の袋を作ってみよう!」という案でした。ただし、2層になってる袋なんて見たことがなく本当に作れるのか、作れたとしてもちゃんと温まるのか。ただ漠然と描いたスケッチを広げ、不安だらけの状態でいざ開発をスタートさせたのでした。※画像は当時の実際のスケッチです続く・・・