「緊急避妊薬を飲んだことがある人はヤリマンなの?」というイメージがある方も多いと思います。今回はそんな話題についてお話します。まず、ここでいう「ヤリマン」とは、「たくさんの人と危険な性行為をしている方」としてとらえます。ー緊急避妊薬を飲んだことがある人はヤリマンばかりなのか?そのような方が0であるわけではありませんが、・性行為中にコンドームが取れるなど避妊が思わぬ形で失敗した・相手のことを大切に思っているからこそ避妊をせずに性行為をしたが、 今は妊娠・出産の準備ができていないと気づいた・性暴力の被害者このような理由で緊急避妊薬を必要とする方もいます。また、「たくさんの人と危険な性行為」をしている方も、「虐待などを受けていて家庭が安心できる場所でないから、ほかに居場所を求めている」というように、ご本人がコントロールするのが難しい要因があることも考えられます。その場合、「自分でコントロールできないという理由で危険な性行為を繰り返してしまう」その方にこそ、緊急避妊薬を届けるべきだとも考えられます。そこから、継続的に知識を届けられる環境につなげ、たとえばその後、避妊防止目的に低容量ピルの内服をし始める等の行動につなげていくといったことを私たちソウレッジは行なっていきたいと思っています。一般的に「ヤリマン」とは否定的にとらえられることが多いですが、そのようにひとくくりにしてしまうのではなく、それぞれの状況に応じて手を差し伸べることが大切ではないでしょうか。どのような境遇に生まれ育った方にも、緊急避妊薬が手に取りやすい環境になることが大切だと、ソウレッジは考えています。
若い方が緊急避妊薬を買いづらい理由として、金銭的な問題も挙げられますが、今回はそれ以外の理由についてお話します。ー若い方が緊急避妊薬を買いづらい、お金以外の要因とは?まず、病院で「無責任なことをするな」などといった、心無い言葉をかけられてしまうかもしれないという不安があります。#わたしたちの緊急避妊薬 によせられた経験談:診察時にはお医者さんに「ちゃんと避妊したんですか?そんなんじゃダメですよ」と、厳しいことを言われて、“ダメなことをしたんだな”とまた落ち込みました。また、自分が緊急避妊薬を飲んだことをクラスメイトなどにばれてしまうのではないかといった不安を抱えてしまうこともあります。加えて、緊急避妊薬の代金を自身で用意することが難しい場合は保護者の方に頼むことになりますが、その際の反応に対する不安もあります。「なんと言えばいいんだろう」と悩むには、3日(72時間)という期間はあまりにも短いのです。さらに、都市部以外などでは病院に行くのに車で一時間以上かかる場合もあり、72時間以内に服用することで避妊率が高くなる薬を、時間的に取りに行くことが難しい場合もあります。そして、親や親戚から性被害や虐待を受けていたりする場合は、緊急避妊薬が必要になった状況でも誰にも頼ることができないということもあります。このように、避妊率が高く保たれる72時間のタイムリミットまでに、若い方が緊急避妊薬を服用するということは、金銭面だけでなく様々な要因からハードルが高くなっています。ソウレッジでは、これらのハードルを低くすることで、若い方が緊急避妊薬にアクセスしやすい社会を作ることを目指しています。
「若い人が妊娠したらリスクが高い」と言われることがあります。今回はその「リスク」についてお話します。ー若い人が妊娠する「リスク」とは?・望まない妊娠・人工妊娠中絶の増加・シングルマザー・未婚の増加・経済的・心理的不安・児童虐待リスクの増加・周産期死亡率の増加・低出生体重児の割合の増加参考:一般社団法人日本家族計画協会例えば妊娠がわかったときに、それが予期せぬものであり、準備が整っていない状態であったとしたら、いろんな不安が生じることが考えられます。学校に通うことができるのか、この先の進路はどうするのか、親に迷惑をかけてしまうのではないか、といった不安です。また、予期せぬ妊娠であった場合、男性が妊娠した女性を置いていなくなる、という可能性もあります。その後「一人で育てることができない」と母親が子どもを虐待してしまうことも考えられます。ひとり親世帯は虐待の発生率が高いことがすでに指摘されていますが、この事例の場合逮捕されるのは母親のみであることは、考えさせられるものがあります。これらはあくまで一例にすぎませんが、心理的に妊娠の準備が整っていないタイミングでの妊娠においては、さまざまなリスクが高いのです。
『実際に緊急避妊薬ってどこで買うことができるの・・・?』今回はそんな疑問にお答えしていきたいと思います。ー緊急避妊薬はどこで買えるのか?今の日本では、産婦人科などの病院で受け取るか、処方箋をもらい薬局で薬を購入することができます。しかし、最近は「病院に行かなくても薬局で買えるようにした方がいいのではないか?」という議論も進んでいます。ー緊急避妊薬の値段は?一錠8000円~15000円ほどの値段で販売していて、学生には購入できない高額の値段設定になっています。ほかの世代では全体の妊娠のうち15%が中絶を選択するのに対して、10代が妊娠した時の中絶率は62%と約4倍。緊急避妊薬の値段の高さが、中絶率を高める要因の1つであると考えられます。緊急避妊薬は欧米やアジアなどでは、数100円~5000円程度で購入ができ、未成年に無償提供をする国が増えている一方で、日本では値段の面でもアクセスが難しい現状になっています。ソウレッジでは、緊急避妊薬を無償提供することで、予期せぬ妊娠により中絶を選択する若者が少なくなる社会を目指しています。
『避妊薬を無償かするべきでは・・・?』今回はそんな疑問にお答えしていきたいと思います。ー緊急避妊薬ではなく、緊急避妊薬を繰り返し使うことを防ぐためにもするなら避妊薬全般を無償にするべきではないかもちろんその状態を目指しています。しかしソウレッジの集められる財源には限りがあるため、まずは緊急避妊薬を使う人たちに、知識と福祉が届く環境をつくることにしました。そして、今、「不安な性行為をしても、緊急避妊薬さえ買えない、毎月ピルに2000円も払えない、彼氏はコンドームつけてくれない」そんな状況にいる子たちが存在しています。不十分ではあれど、何も支援がない今の状態よりは、緊急避妊薬だけでも手に入れられる環境の方がまだ多少良いと思いませんか?最終的には、「学校や薬局で」「全ての避妊具と避妊薬が無償で、学校でも避妊の方法を詳しく教えてくれて」「緊急避妊薬を服薬する時は専門家の目の前で薬飲んで」「必要ならシェルターや生活保護の相談とかの福祉につながれる」 の環境を実現していきます。 もしそれが今すぐできるならもちろんそれがいいですが、私は時間がかかるものだと思っています。それなら、いま手の届くことから実現していかないと、結局タブー意識とリスクのあることは自治体はしたがらないと思うのです。このようにソウレッジでは、若者は避妊できる環境と性知識を得られる環境を日常にする第一歩として、この活動を行っています!