皆様、こんにちは。プロジェクトオーナーの小林駿です。今日は就活を通し、自分が辿り着いた一つの答えについて書いていきたいと思います。時は3月。就活がいよいよ始まりましたが、依然自分は内定どころかESも通ることなく、ただ悶々と日々を過ごしていました。馬に関わりながら自分で好きなことがしたい。だけど何かしたいということは無い。何をしたらいいのかも見えないまま、周りはどんどん内定を獲得していくのに焦る毎日。とりあえず自己分析を見直そう。他己分析もしてもらおう…友人たちに自分の馬の話、これまでの経験の話を聞いてもらい、自分で書きだすことをしました。その時、気づいたことが一つ。「異種業界提携」を考え直すのはどうかと。自分の支援において原点であり、考え始めるにはこれしかないという事を置き去りにして就活をしていました。では、自分が将来「異種業界提携」で支援するなら何なのか?今自分が得意で好きなことは何なのか?彼らと関わってきたうえで自分ができそうなことは何なのか?それらを重ね合わせた時の答えのヒントは、今回の返礼品のひとつにもあります。そう、りんごジュースやマッシュルームスープです。馬と人は、元々競走馬として接する前も深いかかわりがありました。農耕馬や軍馬など、歴史の授業で絵巻や解説を聞くたびに見ていたりした記憶がある方もいるのではないでしょうか。また、サラブレッドだけでなく道産子などは今でも人々と密接にかかわり、共に仕事をしている子達も北海道にはいます。そこでひとつのキーが「農作物」馬糞堆肥から作られたりんごジュースなどがあるように、彼らの力で農作物を作ることは可能。そして自分は、コンビニバイトで大学の4年間を過ごし、自炊もよくしました。接客業は嫌いではない。料理を作ることは好き。では、それらを活かしながら将来何ができるのか?彼らを微力ながら支える事は何があるのか?全てをひっくるめて考えた時「飲食店経営」という答えに辿り着くことができました。競馬が終わった夜、またはメインレースを迎える前の昼から競馬好き、馬好きの方が来て触れ合うことができる居酒屋。そこで提供できる料理には、引退馬が作った食材も少なからず入っていて、大型モニターで昔のレースや今日のレースを見ながらにぎわう店…そんな場所を作ることができれば、自分にとって一つの夢がかなうことになるのではないか。そう考えついた後、就活は一気に進みました。土台を作る為、とにかく飲食店、それも将来的には独立支援があるような企業に就職しようと決め、一番応援してくれる言葉を頂いた場所に就職させていただくことになりました。そして夏、このクラウドファンディングの話が降り経験、そして、彼らを手助けする第一歩としてやってみようと踏み出すことになります。まだ遠い将来の話になりますが、やってみたい、支援したいと考えていることを実現するために、今後ともより一層精進していきたいと思います。それでは皆様、また明日!
皆様、こんにちは。プロジェクトオーナーの小林駿です。残り11日。日に日に終わりが迫ってきています。最後までよろしくお願い致します。今回から、また私事のお話を。昨年11月、競馬好きの知人と引退馬の話をした時の事です。「やる必要を感じない。」引退馬支援を考えていて、実際に動こうと思っている。だからそのことについて何か意見をくれないかという旨をその人に伝えた時、開口一番告げられた言葉は厳しいものでした。「年間に何頭、馬が生産されていると思っているんだ?」「何頭、未勝利で地方に転出していると思っているんだ?」「何頭、行方知れずになっていると思っているんだ?全頭救う気か?」怒りすら感じるほどに冷たい口調で淡々と言われたのを、1年経った今でも覚えています。限定的でもいいから、自分の手で救える馬は救いたい。そう伝えた時、今でもまとわりついて離れない言葉を投げかけられました。「偽善」と。「自分の好きな馬しか救わないなんて偽善もいい所じゃないか。他の馬はどうなるんだよ。その馬にもファンはいたかもしれないだろ?じゃあ救ってあげるべきじゃないのか?それができない以上お前がやろうとしていることは偽善だろ、どう考えても。」無理だからやめろ。前向きな意見を聞きたかったはずの話し合いは、いつしか自分にとって言い返せもせず、ただただつらい時間に変わっていました。1年経った今でも、偽善と言う言葉に言い返せる自信はありません。客観的に見て、それは事実に近しいからです。「限定的に救う」という事は、そういうことになってしまいます。ですが、1年経った今、自分はそれでもいいと思います。引退馬支援というのは命の問題になります。費用の問題に加え、先人の偉大な哲学者たちが追い続け、未だに明確な答えはなく、そして今後も絶対に正しい答えなど現れない「いのち」という問題。それの答えを、ただの凡人である自分が解決はできません。私はソクラテスでもアリストテレスでもないのですから。そう思った時、自分が関わった場所を、馬を救うということからはじめてみればいいのではないかと言う結論に辿り着きました。勿論、自分の活動は微々たるものですが、もし自分の活動に興味関心を持っていただいて、そこから活動の輪が広がっていくことがあれば、更なる支援へと繋がっていくきっかけになるかもしれない。また新たに、今度は別の場所を支援する方が現れるかもしれない。それは支援の輪が広がり、また新たな活動に繋がってゆくことになる。そしてこの活動を通して、自分が将来何か生かせることが見つかるかもしれない。そう思ったのが、今年の春先の事でした。結果、全く進まなかった就活も、将来少しでも引退馬支援に携わって、何かをやりたいということ、学生時代に取り組んだ支援の事を盛り込んで、無事第一志望に内定を頂くこともできました。その頃には、「偽善」でもいいと思い始めていました。何より「やらない偽善よりやる偽善」という言葉もあるくらいです。そして「ただ救う」のではなく「仕事を与えてあげる事」「共に寄り添って動くこと」が大事という考えにも辿り着きました。だからこそ私は「支援は偽善」と捉えられてもいいと思い始めることができました。最近、五輪馬術が行われた事、また「ウマ娘」の影響もあってか、引退馬支援等の動きは非常に活発なように思います。そんな今だからこそ、多くの人に引退馬の活動を知ってもらいたいと願っています。明日は今年の春、就活を通して自分が辿り着いた考えを書き起こせたら…と思います。それでは皆様、また明日!
こんにちは。プロジェクトオーナーの小林駿です。残り12日、よろしくお願いいたします。今週末は中央競馬でG1 マイルCSが行われます。既に女傑・グランアレグリアがこのレースで引退を発表しているこのレース。自分が大学2年生の時にクラシックを走っていた彼女が引退するのは、なんだかとても寂しいです。さて、マイルCSはG1という、JRA…もとい競馬の中で一番格式の高いグレードレース。一般的に見て、このG1を勝利した子達は繫殖入りすると思われています。事実私も、この業界を知る前まではそう思っていました。ところが現実は厳しく、G1を勝ったからと言って繁殖入りが確定するわけではありません。ダービースタリオン等のゲームでは牡馬の場合1勝で種牡馬入りが確定、牝馬の場合は無条件繁殖入りが約束されますが、現実は違います。となると当然、その後の行き先が確定しない場合も出てきます。その場合、多くは乗馬を目指すことになると思われますが、乗馬も簡単ではありません。リトレーニングが必須です。リトレーニングとは、言うなればF1マシンを自家用車につくりかえることと同義とたとえた人がいました。レースで速く走るために調教されてきた馬を、今度は人を乗せてゆっくり歩く練習を積ませるのがリトレーニングです。そしてセラピーホースを目指すのであれば、このリトレーニングは避けて通れません。サラブレッドは速く走るために作られた品種。そんな彼らがいきなり「人を乗せてゆっくり歩いて」と言われても、恐らく無理でしょう。勿論、パークにいて乗馬で相棒となるような馬達は、しっかりリトレーニングを終了しています。最近はナグラーダも、このセラピーホースとなるトレーニングを積んでいる事と思います。実は自分は、引退馬支援をしっかりと考える前、何の気なしに「リトレーニングはしないで、預かり先だけ増えればなんとかなるんじゃないの?」と思っていました。恥ずかしい話です。仮に、リトレーニングも何もしないで生き長らえることができたとします。ですがその時、「乗馬」「ホースセラピー」というコンテンツはこの世から無くなってしまうのではないでしょうか。また、汚い話になりますが、乗馬等で微々たる収益を運んできてくれた彼らにとってリトレーニングは、いわゆる「仕事を覚える研修」です。それを行わないという事は、遠からず彼らの仕事を奪うことになります。仕事が無くなれば、収益もなくなる。牧場の経営も傾き始める。そうなってしまえば結果的に、救えたはずの命を救えなくなってしまうこととなります。だからこそ、乗馬過程においてのリトレーニングは「必須」です。そして、リトレーニングを終えた彼らを受け入れてくれる引き取り先も、十分な数があるわけではありません。だからこそ今、引き取り先や牧場の方々を支援したい…そう思っています。それでは皆様、また明日!
こんにちは。プロジェクトオーナーの小林駿です。残り13日、もうすぐ10日を切る日数が見えてきて、いよいよ終わりも近いです。最後までよろしくお願い致します。今日は、昨日の続き。実際に牧場業務を行わせていただいた際、どのようなお仕事をさせていただいたのかという事を書かせていただきたいと思います。AM8時~ 業務開始業務開始と同時に、馬房にいる馬達を順番に外へつなぎ、厩舎内の清掃に取り掛かります。具体的には寝藁の入れ替え、飼葉桶の清掃、ボロ(馬糞)の掃除、飲み水の入れ替え等々、馬達が生活していく環境を綺麗に保つ事が目的です。パークにいる子達すべての厩舎馬房が担当のため、この仕事だけでもかなりの時間がかかります。AM9時半 10時頃~乗馬レッスンの開始です。5級だった私はパートナーのマリンを厩舎から引き、外に繋いだ後レッスン前の手入れ、自らが跨る鞍の準備(つけるのは先生がやってくださいました)までをまずは行います。この時、毛並みの手入れ等を行うのですが、勿論悪戯をして来る子もいます。マリンもしっかり自分に悪戯をしてきました(笑)噛もうとする、身体を思いっきり揺らす、最終的には自分の脚で私の右足を踏んづけようとする程でした。(恐らくたどたどしい自分の手つきにイラついていたことかと思います。)ですがそういう時優しくするだけではいけないのが、馬とのコミュニケーション。悪いことをしたときはしっかり「駄目」と叱ってあげなければいけません。勿論、大きい声で怒鳴りつけるなどではなく、しっかり低い声で諭すように「やってはいけない」と怒るといったことを先生からは教わりました。このような事も、人間社会でひとつのコミュニケーションを取る能力の育成になっているのではないでしょうか。そして乗馬レッスンに向かった後は、常歩から速歩へ、馬との呼吸を合わせるようなイメージでリズムよく立つ、座るを繰り返します。最初のうちは手綱を引っ張り通しで馬に自分の気持ちが伝わりませんでしたが、鐙(自分の足を引っ掛ける場所)に深く足を入れすぎないことや、手綱を強く握りすぎないこと、馬のリズムをしっかりと聞く事などを教わり、初日から最終日までの3日間、みっちりご指導していただきました。お昼休憩の後午後のレッスンを受け、その後はまた牧場業務に戻ります。3時半から4時半にかけておやつの牧草ロールを馬房に入れ、その後次の日以降の牧草ロールを袋に詰める作業を行います。詰めると意外と重く、乗馬で疲れている身体にはなかなかの重労働に感じることもありました。そして16時半に、自分は終業。泊めていただいた旅館の方が迎えに来てくださるといった形で1日を終えていました。この乗馬研修中、パークの色んな子に接しましたが、やはり1頭1頭性格は違います。飲み水の入れ替えは昼休憩の際もチェックして行ったのですが、それを入れ替えるときでも嚙む癖を持つ子は「馬房に入るな」と言わんばかりに嚙むモーションを向けてくることもありましたし逆に馬房の横に行っただけで鼻先を摺り寄せてくる子もいます。(ナグラーダはそのタイプでした。食事中だけはこっちの事はお構いなしでしたが…笑)ですが、そんな性格みんなひっくるめて、彼らと接した3日間はあっという間で楽しいものでした。勿論悪癖をつかれ、先生がその場からいなくなれば途端にいう事を聞かなくなったりされるなど、楽しい事だけでなく大変な事もたくさんあった研修ではありましたが机上でぼんやり考えるだけでは決して得られない経験や知識をたくさんいただけ、同時に馬と実際に接することの大切さを彼らに教えられたような、そんな研修になりました。そしてこの研修で得た大きな考え方、それは「何事にも真剣に積極的に」ということ。わからないことがあればすぐに聞く、興味があることは考え、行動する。「なんとなく」で行動していれば、牧場や馬の事を考えるうえで失礼にあたるだけでなく、最悪人の命や馬の命にかかわります。だからこそ、この引退馬支援を考えるうえでひとつの大事なことは「真剣に、積極的に取り組む」といったことではないでしょうか。当たり前のことかもしれませんが、凡事徹底という言葉があるようにこれが一つの大事な事なのは間違いないと思っています。これから様々な経験や、また新たな引退馬支援の形を見つけたりした時も、このことだけは心のどこかにとどめておきたいと思います。ここまで自分が、クラウドファンディング開催まで経験した引退馬支援のお話をさせて頂きました。明日からはまた、別のお話をさせて頂きたいと思います。それでは皆様、また明日!
こんにちは。プロジェクトオーナーの小林駿です。いよいよ残り2週間です。よろしくお願い致します。本日は、昨日から更に1年後。今年の夏に再度馬っこパーク・いわて様を今度は「乗馬ライセンス研修」として訪問した際のお話を書かせていただきたいと思います。1年間、私の中で大きな出来事がありました。それは、所属ゼミが完全に変更となった事。2年の夏、既に告知はされていましたが、入ったばかりのゼミの先生が別の大学へ。幽霊状態だった私も、3年後期に新しい先生が来たことで新しいゼミに。そして、就活も始まりました。「馬に携わる何かをしたい」ということで地域おこし協力隊や競馬関係の出版社をリサーチしていましたが、地域おこし協力隊は狙っていた場所が今年度の募集はなし、出版社はESの時点で落とされるといったことが続き、軽くショックを受けます。他の企業も落ちに落ちまくり、最早就活へのやる気が消えてきた時「引退馬支援」という土台に立ち返り、改めて自分が感銘を受けた考えを思い直しました。それは「異種業界提携」の道。「引退馬」というものだけでなく、ほかの業界の方々と関わることで、新たな道を紡ぎ出すというその考えは、1年前、引退馬支援を調べ始めた当時の自分にとってかなりの衝撃を与えてくれました。その考えに立ち返った時、自分には何ができるか。大学生の今のうちから、引退馬というものに現場で触れておくのが大事なのではないか。引退馬を考えているなら、乗馬を少しでも経験しておいた方がよいのではないだろうか。そして就活は、その考えの下で料理が好きな自分が将来、競馬ファンの集う居酒屋のようなものを開けたらと思い、飲食店会社に内定を頂きました。そのお話を頂いたのが、5月。3か月後の8月、「乗馬ライセンス」取得に合わせ、牧場での実地業務もさせていただくことに。再び自分は、馬っこパーク・いわて様を訪問しました。1日目の午後、スタッフさんに挨拶を済ませ、さっそく乗馬へ。「3日間の相棒は、マリーンパワーね」加藤先生にそう言われ、馬房の前へ行った時、昨年乗せていただいたマリーンパワーのお世話を自分がするんだな…と緊張と期待が、一気に膨らみました。乗馬前の手入れ、鞍つけまでは初日ということもあって先生にやっていただきましたがそこからは自分で彼を引いて、練習場に向かいます。5級のライセンス取得は、軽速歩(馬の歩き方は常歩【なみあし】→速歩【はやあし】→駈歩【かけあし】→襲歩【しゅうほ…競馬で走っている状態】の4段階に分けられ、5級はこの2番目の速さの状態の時、馬上で立ったり座ったりできる状態の事を指します)が条件。まずは初日という事で馬に慣れるところから始まりますが、なかなか呼吸も合わず厳しい状態。そしてレッスンが終わり、マリンから降りた後、事件を起こします。…まだ厩舎に戻ってもいないのに、私は馬の手綱をハミから練習場で外したのです。たまたまマリンがおとなしく、「こいつなにやってんだ?」とでも言いたげに立っていたままだったからよかったようなものの、もしあの時マリンが走り出し、一気に駆け抜けてしまうような事態が起きていたら…初日にして、多大なる迷惑どころか、馬と人の生死にかかわるような事件を勃発させていたかもしれません。いかに自分が、馬のことを何も分かっていないか思い知らされた日でした。そしてもう一度、引退馬支援を考えるべき人間として折角馬達と関わる今この3日間で何ができるのか改めて考えて行かなければならないなと痛感した日でもあります。明日は2日目以降、牧場業務を朝から行った時のお話を書ければと思います。それでは皆様、また明日!