【マジメな毎日に、ひとさじのパンクを】DIY作家が人生を懸けた小説の増刷を応援!

<40代おっさんの無様なチャレンジ>小説本文はもちろん表紙デザインや版下データまで自分でつくるDIY作家「児玉ロウ」。初のヒット作品『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』の増刷(第2刷)を応援

現在の支援総額

828,488

138%

目標金額は600,000円

支援者数

125

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2026/02/21に募集を開始し、 125人の支援により 828,488円の資金を集め、 2026/03/31に募集を終了しました

【マジメな毎日に、ひとさじのパンクを】DIY作家が人生を懸けた小説の増刷を応援!

現在の支援総額

828,488

138%達成

終了

目標金額600,000

支援者数125

このプロジェクトは、2026/02/21に募集を開始し、 125人の支援により 828,488円の資金を集め、 2026/03/31に募集を終了しました

<40代おっさんの無様なチャレンジ>小説本文はもちろん表紙デザインや版下データまで自分でつくるDIY作家「児玉ロウ」。初のヒット作品『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』の増刷(第2刷)を応援

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【毎日更新】第6回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』 俺はというと、なんつうか、妙な違和感を覚えて、ぼんやりしていた。 何に違和感があんのかは分からねえんだけど、何か変だな、という感じ。 でもまあ、この細っこい階段で突っ立てるわけにもいかねえ、遅ればせながら店内に入ると、既に奴らは店の一番奥のテーブルを陣取っていた。全員がタバコに火をつけてて、何が可笑しいのかもうバカ笑いだ。客が他にいねえのが救いだが、仮にいたとしてもあいつらは何も気にしねえだろう。 そう、あいつらはどこにいても何をしてても、周りに誰がいても何も変わらねえ。まあ、相手に合わせてコロコロ態度を変える奴よか百倍いいけどさ。 なんてことを思いながら店を奥へと進んでいくと、「お連れさんね、奥へどうぞ」と、店員らしきおばちゃんが声をかけてきた。五十代後半くらいかな。俺のお袋よりは下だろう。白シャツに黒いベストの制服を着ている。うーん、こんな感じだったかな。なんか違うような気もするけどなあ。 店の雰囲気も、まあこんな感じだったと言われればこんな感じか? だがこのおばちゃんには見覚えがねえ。まあ、それは当たり前か。「ねえおばちゃん、この店って三十年くらい前にもあった?」俺は聞いた。「三十年? ああ、先代の時代だろうけど、それくらいは経ってるはずよ」 ふうん。じゃあやっぱ、ここなんだよな。 席について、やっぱりこの店がガキの頃行ってた店に間違いないらしいことを奴らに言った。予想はしていたが、ボンもタカも「へえ」と興味なさそうに答えただけだった。涼介に関しちゃは返事すらしねえ。昼間のライブの物販で買ったっていうポップスバンドのCDを開けて、忌々しげな表情で歌詞を読んでいる。そんな顔するなら、何で買ったんだよバカが。 タカはテーブルに置かれていたメニューを熱心に見て、何を食おうか考えているようだ。てめえそうやって悩んだ挙句いつもハンバーグじゃねえか。いい加減学習しろ。 俺は呆れて——いや、安心したんだな、多分、こいつらがいつも通りだってことに、俺の単なる思いつきに、こうしてつきあってくれたことに。俺はソファの背もたれに身体を預けて、リラックスした。さて、あとは飯食って帰るだけだ。 俺たちが座っていたのは店の一番奥のボックス席で、二人掛けのソファが二台、テーブルを挟んで置かれている。俺は涼介の隣、店のエントランスを背中にして座っていた。向かい側にボンとタカが座っていて、その向こうには窓がある。何年も掃除されたことがないような、白く濁った汚ねえ窓だ。 ターニングポイントってのはいきなりやってくる。 何気なくその外の風景を見ていた俺は、前触れもなく突然、強烈なデジャヴに襲われた。〜第7回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


【毎日更新】第4回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』 ともあれ、レストランだ。そんな何もねえ、つまんねえ所までやってきたんだ。二十分もかけて、バス代も使って。 意地でもマカロニグラタンを食ってやるぞという気で、目的のビルを探した。バス停の名前がスッと出てきた割に、肝心の所在地は曖昧で、ビルの外観はイメージできるんだが、どこをどう行けばそこにたどり着くのか分かりゃしねえ。 結局俺たちが目的のビルを見つけたのは、太陽が低くなり始めた頃、バス停を降りて三十分近く経ってからのことだった。 ひと目で古いって分かる、寂れたビル。ガキの頃は立派だと思っていたが、今は背後にもっと大きなビルが建っていて、みすぼらしく見えた。二階部分から最上階までつづく縦長の看板がかかっていて、それに各階のテナントロゴが書かれてある。株式会社なんとかとか、なんとか不動産とか、ほとんどが企業のオフィスのようだったが、五階部分に「キッチンクリハラ」という、なんとなく覚えのある名前を見つけた。 バカ面で見上げるオッサン四人。「あれじゃねえの、五階にあるやつ」タカが言う。「他に飲食店ねえしな」涼介の冷静なツッコミ。「で、どうなんだよ」「うーん、確かああいう名前だった、かな」「三十年もやってんのか? それ、すごいなあ」ボンが感心したように言う。奴の実家は食堂なので、その凄さが分かるんだろう。まあ、あのきったねえ食堂でも同じくらいか、下手したらもっと長くやってるわけだから、まあ何とかなるもんなのかもしれない。 とにかく、ここが目的地だ。 エレベーターがなかったので俺たちは老体に鞭打って階段を上った。酔っ払いのオヤジにはキツイ道のりだ。昔の建物だからか通路の幅が一メートルくらいしかなくて、余計に疲れる。日曜日でオフィスは休みらしく、一階から四階までは全く人気を感じなかった。何となく俺たちは無言で、最後の折り返しを過ぎた。 「キッチンクリハラ」というさっき見たのと同じロゴが、壁に埋め込まれた木製の看板に書かれてあった。同じく木でできたロッジ調のドアには「OPEN」のパネルがかかっている。涼介が躊躇なく扉を開けて「やってっかー」と中に入っていく。ボンものんびりとその後に続き、最後にタカが、「なんかいい感じじゃん」とウキウキした様子で入っていく。〜第6回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


第4回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』--「で、いったいどこに連れてこうっていうんだよ」 バスを降りるやいなやタバコに火をつけた涼介が言った。「レストランだよ。ガキの頃、よく来てたんだ」 つられるように俺もタバコを咥える。「レストランだあ?」「美味い店だったぜ、マカロニグラタンが特に」「それ何年前の話だよ」とボン。「何年前って、そうだな、中学、いや、もしかしたら小学生の頃かな」 俺が言うと涼介が大げさに体をのけぞらせる。「はああ? そんなの三十年以上も前じゃねえか。よく覚えてんなお前」 確かに親父の異動で実家が引っ越して以降、この町に来ることはほとんどなかった。ここで過ごした記憶自体が曖昧なのに、どうして俺はレストランなんかを覚えていたんだろう。 覚えがあるようなないような、そういう道路や建物の中を歩くのは、変な気分だった。ほろ酔いだからかもしれねえけど、なんか妙に感傷的になってくるっつうか、ふと涙ぐんでしまいそうになる。これがオッサンになるってことかもな。歳くうと涙腺が緩くなるって言うし。 でも、そんな俺のナイーブな精神状態をぶち壊すように、ボンがあっさりと「何もねえな」とか言いやがる。「ああ、何もねえ」とタカも同調する。「お前、つまんねえとこ住んでたんだな」涼介はもっと露骨だ。 だがよく見てみれば、なんてこった、こいつらの言う通りだった。センチメンタルフィルターを外して見れば、全くもって何もない、つまんねえ街なのだ。〜第5回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


第3回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』-- 随分昔のことだし、潰れちまってる可能性だって低くはないだろうが、まあ、なきゃないでいいんだよ。別にそこで飯食う事に大した意味もねえっつうか、単にノリで言ってるだけなんだから。 で、駅にくっついてるバス乗り場に行って、百貨店帰りらしい上品なナリの婆ちゃんにベンチの席を譲ったり、停留所のそばの喫煙所でタバコを吸ったりしながら、バスを待った。 俺の生まれ育った町までは二十分くらい。ノロノロ運転のバスでそれくらいだから、まあ、そこまでの距離じゃあねえ。 しばらくしてバスが来て、酔っぱらい四十男四名、仲良く最後列に陣取った。 久々に乗ったバスは、窓がでっかくてテンションが上がる。まるで透明な箱が浮きながら移動してるみたいで、いつも見ている街の景色もどっか違って見えてさ、妙に楽しくなってくる。 バス乗り場でベンチを譲ってやった婆ちゃんも乗ってたんだが、ガキみてえにはしゃぐ俺たちをどう思ったのか、降りる前にわざわざ俺らの所まで来て、一人一つずつ、飴くれたよ。たぶん何日も前から鞄の中に入ってたんだろう、溶けかけててフィルムがベッタベタになってたけど、ありがたくいただいた。 婆ちゃんはバスを降り、そして外から俺らに向かって手を振ってくれた。もちろん俺らも振り返した。タカなんてバスが出発してからもバックガラスに張り付いて婆ちゃん見えなくなるまでずっと振ってたな。マジで小学生から脳みそが発達してねえんじゃねえかって、俺、真面目に不安になったよ。だって、四十三だぜ。初老だぜ。 まあそんなこんなで俺たちはバスの旅を楽しみ、やがて目的のバス停に到着したわけさ。〜第4回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、更新タイミングで通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


第2回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』-- ボンもタカも涼介も「なんだ、どこ行くんだよ」って聞いてきたけど、いいからいいからっつって、とりあえず何か軽く腹に入れようっつってコンビニに入って百円おにぎりを人数分買った。 こいつらと出会ってもう二十年近くになるんだが、長い付き合いってのは気持ちの悪いもんで、ボンはシーチキンマヨネーズ、タカは梅、涼介は具は何でもいいけど手巻き寿司タイプのやつって、それぞれの好みまで嫌でも覚えちまう(ちなみにカズはおにぎりよりフライドポテトの方が好きだ)。 俺らはそれぞれ好きなおにぎりを歩き食いしながら駅に向かって歩いていった。 それにしても、こいつらとこれまでに何千時間一緒に過ごしてきたか分からないが、話すことがまるで尽きやしねえ。 今日の話題はもっぱら、ボンが最近ハマってるっていう裁縫についてだった。 いや裁縫て、と最初は大笑いしたもんだが、実際に奴が作ったものを見てみると、なかなかどうして悪くない。 裁縫っていうよりはいわゆるリメイクとかDIYとかそういうもんで、タータンチェック柄のケツ当てとか、Tシャツを切り刻んで他の生地やCLASHのワッペンとかと縫い合わせた服とか、スプレーとかアクリル絵の具で絵を描いて額に飾ったやつとか、つうかもうそれ裁縫でも何でもねえじゃんとか思ったけど、意外とセンスあるんで驚いた。さすが洋服屋の雇われ店長なだけはある。 そんな話をしながら駅までブラブラと歩いた。 おにぎり食ったから正直腹の減り具合はかなり緩和されたけど、まあだからっつって別にやる事もないわけで、どうせ夜になりゃ俺の店に来てまた飲み直すんだろうし、それまでの時間潰しってことで、その懐かしきレストランに行くって案は何の反対意見もなく採用されたんだ。〜第3回に続く〜--本日はここまでです。少しでも続きが気になった方は、ぜひこのプロジェクトの「お気に入り登録」をお願いします。(登録していただくと、明日以降の更新タイミングであなたの元に通知が届くようになります)また、今回のプロジェクトでは、限定青カバー版(100冊限定)やオリジナルステッカー及びバッジ、著者と小説の舞台となったBARで飲む交流枠など、様々なリターンを用意させていただいています。ぜひチェックいただき、ご支援いただけますと幸いです。それでは、また明日。児玉ロウ


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