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「バンド組もうぜ」みたいに「本屋やろうぜ」と言おう。かえるライブラリー始めます。

「かえるライブラリー」は、本棚を設置する場所さえあれば、どんな地域でもできる参加・参画型の本屋×ライブラリーです。「本を届けたい」と思うメンバーが本を持ち寄り、「本を読みたい」人がそこに集まります。販売に伴い発行される「かえる券」で地域の若者ともつながることができるプラットフォームをつくります。

現在の支援総額

450,784

45%

目標金額は1,000,000円

支援者数

118

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2019/01/01に募集を開始し、 118人の支援により 450,784円の資金を集め、 2019/01/30に募集を終了しました

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「バンド組もうぜ」みたいに「本屋やろうぜ」と言おう。かえるライブラリー始めます。

現在の支援総額

450,784

45%達成

終了

目標金額1,000,000

支援者数118

このプロジェクトは、2019/01/01に募集を開始し、 118人の支援により 450,784円の資金を集め、 2019/01/30に募集を終了しました

「かえるライブラリー」は、本棚を設置する場所さえあれば、どんな地域でもできる参加・参画型の本屋×ライブラリーです。「本を届けたい」と思うメンバーが本を持ち寄り、「本を読みたい」人がそこに集まります。販売に伴い発行される「かえる券」で地域の若者ともつながることができるプラットフォームをつくります。

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海津紗弥香です。10代に手紙を届ける古本屋「暗やみ本屋ハックツ」(東京)スタッフをしています。東京のハックツではロゴのデザインやチラシ・名刺などのグラフィックのツールのデザインやWEBサイトなどもやっています。暗やみ本屋ハックツとは何か?は公式ホームページ(http://www.hakkutsu.info )や、初代店長の明里ちゃんや、現店長の原ちゃんが十分語ってくれているので、そちらを読んでみてください!※宮本明里さんの記事「大好きなバンドが解散した」https://camp-fire.jp/projects/117607/activities/70335#main※原奈々美さんの記事「気づいたら本屋になっていた」https://camp-fire.jp/projects/117607/activities/70679#main***暗やみ本屋ハックツには、コンセプトの通り10代の若者たちがやってきます。いわゆる思春期という、不安定なような、夢見てワクワクするような、そんな気持ちで過ごしている子が多いと思うのですが、私が開店時から店員として若者と接してきて感じるのは、「何者かにならなければならない」と感じている若者たちのプレッシャーでした。オープン初期にやってきた中学1年生の男の子。「自分のやりたい仕事がわかってしまう!」という寄贈者のコメント付きで、「あなたのパラシュートは何色?」という本をハックツしていったのですが、ハックツした理由が「僕には、夢がないから、この本で夢を見つけたい」でした。また、ハックツオープンの日にお客さんとしてやってきて、ハックツの学生スタッフをやってくれている女の子。とあるスポーツをやっていて、短期留学をするほど熱中しているのに、同じ学校の同級生たちが起業したり、映像を作って配信したり、色々しているのを見て「周りがすごすぎて……私にこのスポーツがあってよかったと思うんです」と、言ったんです。この2つの場面に遭遇したとき、私はなんとも言えない感情になりました。しいて言うなら、もどかしく、切ない。他者より違う、人に褒められるような「何者か」になりたくて、「何者か」にならないといけないのではと、もがいているように見えました。学校にも家庭にも、一般のレールから外れた人生というものはなかなか見えないもので、10代のうちに「自分は好きに生きていこう!」「周りからどう思われたって良い!」と思える子はほとんどいないと思います。むしろ、自分や周りの理想を演じなければならないと思っている子のほうが多いと思います。だからこそ、暗やみ本屋ハックツのような、学校でも家でもない、『自分を知らない』第3の場所が必要なんだな〜と、活動をしていてしみじみ思います。テストの点数が悪いこと、運動神経が悪いこと、将来やりたいことがないこと、良い子じゃないこと。「自分が隠したいもの」を何も知らない、自分がなにかやりたいと思ったら「できるわけないだろ」とも言われない、「こんな生き方あるんだな〜」と家や学校では知れない、感じられないことを感じられる場所。そういう場所が10代のうちからあったら、少しでも不安を軽くして健やかに日々を過ごしていけるんじゃないでしょうか。そういう場所が、若者にとって必要だと思うし、なにより、大人たちにとって「欲しかった場所」なんだと思います。だからこそ、西田さんは言うのだと私は思います。「本屋やろうぜ」と。


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西田卓司です。「奇跡の本屋をつくりたい~くすみ書房のオヤジが残したもの」(久住邦晴・ミシマ社)を読みました。「くすみ書房」という伝説の本屋が札幌にあるっていうのは知っていたんですが。。。「なぜだ?売れない文庫フェア」や「本屋のオヤジのおせっかい」フェアのことも雑誌で読んで知っていたのですが。。。2017年に亡くなられていたなんて。。。昨日の夕方、ウチノ食堂藤蔵内のAPARTMENT BOOKSに「かえるライブラリー」の隣で出店している新刊書店の「BooKs 風見鶏」さんから購入した「奇跡の本屋をつくりたい」いつもの大人のホットチョコレート(名前変わった?)を飲みながら読み始めたら止まらなくなって、今朝、読み終わりました。なんだろう。このジーンと胸の奥が熱い感じ。受け取ったタスキがてのひらの上に載っかってる感じ。「本」「本屋」をキーワードにする者にとって、「駅伝のタスキ」みたいな1冊でした。久住さん、おれ、奇跡の本屋をつくります!って宣言したくなるような、そんな1冊。「かえるライブラリー」を始める人、「本」をキーワードに何かやりたい人は手に取って読んでいただきたい1冊です。本書の中で、久住さんの人柄を表す一節があります。(中島孝志さんの解説の中に収録)~~~ここから引用「苦しくて、袋小路に入り込んだとき、本を読むことで心の間口が広がったことが、人生には何度もあった。大きな海に出るような本との出会いを、地域の大人として何とか応援したい」~~~ここまで引用2006年11月20日付の北海道新聞(札幌市内版)。当時いじめ自殺が頻発したことを受けて、久住さんが考えた「本屋のオヤジのおせっかい 君たちを守りたい」という企画の記事。久住さんは「本屋のオヤジ」だ。「本屋のオヤジ」でしかない。そして、できることは、本を並べるという小さな「おせっかい」でしかない。あまりにも無力だ。でも、無力というのは、何もしないということではない。「本屋のオヤジ」というポジションで、小さな「おせっかい」をする。それが久住さんの美しさだと思いました。「かえるライブラリー」や「暗やみ本屋ハックツ」に本を託す。その行為は本当に無力だ。届くか届かないか分からない。紙切れにメッセージを書いて、ビンに入れて、海に流すようなものだ。それを僕は、「本屋のオヤジじゃなくても、できるような仕組みをつくりたい」そう思っています。「暗やみ本屋ハックツ」の前身であるツルハシブックスの「地下古本コーナーHAKKUTSU」のきっかけは、2002年に不登校の中学3年生の男の子との出会いでした。お母さんに家庭教師を頼まれたのですが、ずいぶんとおとなしく、話をしない子で、コミュニケーションが取れるか不安でした。勉強は遅れに遅れていて、受験が迫っていたので、毎日、家に来てもらうようになりました。(当時僕は一軒家にひとりで住んでいました)すると、だんだんと彼の表情がやわらかくなり、話をするようになってきたのでした。不思議でした。僕はその当時、勤めていた地ビール屋さんを退職して、無職だったのです。「どうして無職の兄ちゃんに、この子は心を開くんだろう?もっと立派な大人が周りにたくさんいるだろう」そんな問いが生まれました。いまでもその問いを考えています。ハックツの仕組みは、その9年後の2011年に思いつきました。しかし、それを思い出したのは、ハックツがオープンして1年が過ぎ、さまざまなメディアに取り上げられるようになってからでした。「なぜ、このハックツをやろうと思ったのか?」メディアは「なぜ?」が好きです。ストーリーを知りたいから。地下室があって、ドラクエ世代だった僕は、地下には宝物があるって思っていたので、宝探しをするような本屋ができないか、と思って。と答えていたのですが、あるとき、気が付きました。「そういえば、僕、10年前に家庭教師していたとき、地域のいろんな大人と中学生が出会える仕組みがあったらいいのにって思ってました」つながった瞬間でした。まあでも、それも、平たく言えば、「本屋のオヤジのおせっかい」なんだなと思います。「おせっかい」にあふれた本棚、素敵じゃないか。そんな本棚をつくりたいと今も思います。本屋は無力です。しかし、僕らはそこに思いを込めることができます。手紙を託すことができます。無力だけど美しいと僕は思います。そんな行為に美しさを感じられる人たちと、一緒に本棚をつくれたら、と強く思います。  あなたも小さな「おせっかい」を始めませんか?


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昨年8月、川崎市中原区JR武蔵新城駅前に「Book & Cafe stand shinjo gekijo」がオープンしました。オーナーの石井さんとは、2016年の秋に知り合い、2017年に実験的な店舗「新城劇場」を経て、2018年8月にブックカフェとしてオープンしました。棚には雑貨と本(この写真はオープン前の写真なので、まだ棚が埋まっていない)ジェラートとクレープとドリンクを提供しています。夜は曜日によって日替わり店長のディナーが食べられます。地元・川崎産野菜を使ったジェラートも販売。塩トマトがとっても美味です。目指しているところは、「住みたくなる街」川崎市中原区新城をつくる、ということです。現代美術家の僕としては、すべてのプロジェクトで「問い」を投げかけなければなりません。この「shinjo gekijo」プロジェクトが発する問いは、「会社まで一本で行ける(もしくは乗り換え1回)」みたいな価値観で、住む場所を決めて本当にいいのか?という問いです。「武蔵新城」は、「どこでも一本で行ける」(東横線、横須賀線、湘南新宿ラインが交差していて、渋谷、新宿、新橋、東京まで20分前後で行ける)と言われている、注目の街「武蔵小杉」から南武線で2駅離れていて、どこにも一本でもいけません。(川崎と立川はいけます)南武線で「武蔵小杉」か「武蔵溝の口」か「登戸」あたりに出て、乗り換えるしかないのです。※しかも、朝のラッシュ時の南武線の混雑は想像を絶するので、もし、その時間に通勤したい場合は自転車やバスでの移動も検討に値します。しかし。武蔵新城のまちには魅力があります。特に食べ歩き好きな人にとっては、気になるスポットだらけです。ちなみに僕のお気に入りは・ラーメンパンがかわいいパン屋「ミュールミュラン」・タンワンメンとホスピタリティに驚く中華「自慢亭」・ハンバーグとモーニングがすごい昭和喫茶「ヴィ」・むしょうにトマト担担麺を食べたくなるラーメン「新之助」・アイモール商店街の奥にある魚屋(名前覚えてない)・もつ焼を枡にいれた日本酒と頂く居酒屋「かとりや」などなど、挙げはじめるときりがありません。(食べ物やさんばかり)ミュールミュランのラーメンパン自慢亭のタンワンメン喫茶ヴィのハンバーグこういうお店に出会えると、住みたくなるまちになります。もちろん、住んでみてから、まちを歩いて、そういう店を発見する喜びもあるだろうと思いますが。しかし、なんといっても、一番大事なのは、いい本屋があることではないだろうか。あるいは、素敵なカフェがあること、ではないでしょうか。だから、たとえば、ブックカフェ。20代・30代のはたらく女子が、夜でも一息つけるような場所。たまに会う誰かと、話ができる場所。そんな空間をつくること。しかもその空間、場づくりに参加・参画できたらさらに楽しくなるのではないかと考えました。お客としての「本のある暮らし」「カフェのある暮らし」からプレイヤーとしての「本屋のある暮らし」が作れたら楽しいなと思います。仕事とは別に、または仕事の延長上に、住むまちで出会う人たちと、始まる物語が暮らしを豊かにするのではないでしょうか。「会社から一本で行ける」からその沿線に住む場所を求めるのではなくて、住みたいまち、暮らしたいまちに住む、そんな家探しがあってもいいのではないかと思います。昨年夏、「にいがたイナカレッジ」の募集やその後の参加学生へのヒアリングなどを通して、特に東京出身・在住の大学生の中には、「東京以外の場所で暮らしたい」という小さくないニーズがあることを知りました。にいがたイナカレッジ事務局の井上有紀さんは1月11日に更新したブログで、「働きたいの前に暮らしたい」と語ります。https://inacollege.jp/blog/2019/01/11/inoue3/有紀さん自身が東京出身・東京在住だった大学3年生当時に大学を休学し、新潟に移住した経験もあり、「暮らし」を大切にしたいという現状を次のように語ります。~~~ここから引用自分を大切にするような暮らしかたは、本当は田舎じゃないとできないわけじゃない。アパートでの一人暮らしだって、お隣さんと仲良くなったり、なじみのお店を近くにつくったり、知り合いが作ったお米や野菜を買ってみたり、本当はささいなことで少しだけ暮らしを丁寧にすることはできる。だから、「暮らしている町への視点」と「小さな行動力」と「時間の余裕」の問題なのかなと思う。それでじわりじわりと町に知り合いが増えていくと、暮らしがどんどん楽しくなる。~~~ここまで引用そのような「暮らし」を始めたい。「働くこと」の前に「暮らすこと」を考えたいし、大切にしたい。田舎暮らしを始めるわけではないけど、「暮らし」も充実させたい。そう思った人のためにも、本屋やカフェやブックカフェのような(あるいは津屋崎の「なまことかえるライブラリー」のような)地域の「暮らし」に出会える場が、関わっていける場が必要なのではないでしょうか。そんな場のあるまちに、僕も住みたいと思います。


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西田卓司です。2018年の研究テーマは、「場のチカラ」でした。きっかけとして大きかったのは、「チームの力と場のチカラって違うんですか?」って聞いてくれた大学生の一言があったから。もともと、「場づくり」とかっていうキーワードには関心があったのですが。10月に「場づくり」をタイトルにつけた大学内イベントには、20人以上の大学生がやってきて、「場づくり」はかなり関心の高いキーワードだなあと思いました。この夏、(株)えぽっくが展開した「チームひきだし」と(公社)中越防災安全推進機構が展開する「にいがたイナカレッジ」で大学生との場づくりを経験してみて、考えたことがあります。(株)えぽっく「チームひきだし」にいがたイナカレッジ「集合研修」場の構成要素は1 誰とやるか2 いつやるか3 どこでやるかであり、そこに4 なぜやるか5 誰のためにやるか6 何をやるか7 どのようにやるかという項目が加わって(6w1h)、「プロジェクト」になるのだということです。だから、「場のチカラ」を高めるために、チューニング(音合わせ)をしなければならない、というものです。たとえば、ミーティングの時。会の冒頭にひとりひとりが名前を言い、「最近あったよかったこと」を言います。これは、ワークショップ用語で言えば、「チェックイン」と呼ばれます。「場の中に入る」ためにやるものだからです。しかし、僕からすれば、これは「チェックイン」ではなく「チューニング」です。「今日、この人はどんな音が出ているんだろう?」と確かめるためにやっているからです。予想していなかったことを即興で考え、語る。これによって心が開く、場があたたまる。僕たちはそれを身体的に感じることができます。1 誰とやるか2 いつやるか3 どこでやるかは、場のチカラの構成要素として非常に重要です。いま、どんなメンバーとやっているのか?今日のメンバーの調子はどうなのか?空間の設定はどうか?会議室より、カフェがいいんじゃないか?とか、そういうことを考えたり、感じたりして、場のチカラを高めていきます。その上で、ドラッカーの5つの質問に近いですが、4 なぜやるか5 誰のためにやるか6 何をやるか7 どのようにやるかを決めていくことで、僕たちはチームになり、やることはプロジェクトになっていきます。「続・ゆっくり、いそげ」(影山知明・クルミド出版)年始に読んだこの本にも、「場が力を持つための5つの条件」が書かれていて、思わずうなりました。その中でも、「主(あるじ)の存在」というところが特にビビっと来ました。それは肩書ではなく、そういう役の人が場にとって必要なのだろうなと。そして、この本の中に言及されている「場の思想」(清水博・東京大学出版会)を図書館で借り、いま読み進めているところです。「場の思想」(清水博・東京大学出版会)!!!って来るようなフレーズがたくさんあります。その中から少し抜粋します。~~~ここから引用人間は即興的に舞台をつくり、その舞台で即興的に「演技」する生き物である。その演技がさらに新しい舞台を生成し、新しい舞台が新しい演技を誘うというように、役者と舞台が循環的に変化をしていくのである。「構想力」とは、一口に言えば、未来に使われる生活劇場や舞台を想像し、それを設計する能力のことである。すなわち、それは未来への想像力と、場の設計能力(場づくりの能力)が結合した総合的能力といえよう。人生の「戦略を立てる」とは、人生劇場にあって、未来の生活劇場の舞台を構想し、その構想を進めることである。これに対して生活の「戦術を立てる」とは、生活劇場にあって、その生活の舞台での即興劇の進め方を考えることである。戦術を立てるときには、自己と場(現在の生活の舞台)は互いに非分離状態になっている。しかし戦略を立てるときには、場の外側に立って場を見ることが必要になるために、自己と場(未来の生活の舞台)とは互いに分離する。戦略は新しさすなわち創造的であることが命である。もしも不完全なところがあっても、戦術レベルでそれを補うことができる。これにたいして戦術には新しさ(独創性)よりも完全さ(無誤謬性)が強く求められる。~~~ここまで引用うわーーーって。ツルハシブックスの劇場のような本屋ってここから来たんじゃないか?と見入ってしまいます。人生は即興劇で人と舞台が互いに影響し合いながら、循環的に変化していく。「構想力」とは、未来を想像し、設計すること。「戦略」を立てるときには、その場と分離しなければならないが、「戦術」を建てるときにはそこと非分離(一体化)でなければならない。おおお!それです、それです。夏に考えていたのは、まさにそれ。アウトプットを出すのは、「場のチカラ」です。個人は場の中に溶けてしまえばいい。そして一方で、戦略を立てるためには、場と自分を分離する必要があって、「顧客はだれか?」や「価値は何か?」そして「どんな未来を構想するのか?」を問いかけなければなりません。それを両方とも可能にする「場」こそが創造性にあふれた、いいアウトプットを出すのだと思います。「それって本屋じゃないか?」最近の僕の弱点は、こういう場の構想を聞くと、それは本屋じゃないか?って思ってしまうことです。※クルミドコーヒー影山さんは、当然、それはカフェじゃないか?って思うようです。それはそうですよね。本屋という「舞台」に溶けて、場の構成員としての役を演じ切る。そこから生まれてくる「ドラマ」がある。それがアウトプットにつながっていく。一方で、時には、「舞台」を離れ、舞台を社会や時代といった観点からも見つめなおして、未来を構想する、そのために本が並んでいるのし、本を読むのではないかと思います。「構想力」と「場のチカラ」を繰り返し、「いま」が「未来」になっていく。そんな空間を日々、生み出せたら、毎日が楽しいなあと思います。


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西田卓司です。昨日に引き続き、「就活」の話です。https://inacollege.jp/2019spring/「にいがたイナカレッジ」募集ページで連載中の「挑戦するな、実験しよう」にも、「就活」の違和感について書きました。2015年1月から2018年3月まで、僕はある大学に在籍していました。地域と学生がコラボするプロジェクトをつくりつつ、大学の「中の人」になって、「就活」の違和感の正体を知りたい。そう思ってやってきました。一方で本屋として、本をツールにしたコミュニケーションの場を作り続けてきました。2015年9月、「暗やみ本屋ハックツ」の立ち上げで出会ったキーコンセプトは「手紙」でした。サンクチュアリ出版の金子さんとのトークで感じたことです。本が「手紙」だったとき、その本が売れるのだということ。「手紙が届いたこと」が売り上げにつながっていくのだということ。出版という仕事ってそういうものなんだと思いました。2018年夏、「にいがたイナカレッジ」で考えていたこと。それは「場のチカラ」でした。場のチカラを高めるために、ひとりひとりの感性をチューニングすることが大切だということでした。「誰とやるか」が大事だと、ひとりの大学生が言っていました。それは端的に「就活」というシステム自体の違和感を表していると思いました。おそらくその大学生は、人にフォーカスしすぎなんだなあと思いました。資本主義システムは、人を数値化(道具化・手段化)することで利益を生み出してきました。「本が好きなんで、ブック〇〇でアルバイトをしているのですけど、本がすべてデータで管理されていて、システマティックに時期が来たら半額の棚から108円コーナーへ移動し、さらに時間が過ぎたら108円コーナーから別の場所に運ばれていく。ここにいると本が嫌いになりそうで辛い」京都で知り合った大学生がこんなことを真面目な顔で語っていました。1冊1冊の本が本じゃないみたいだと。そう、効率的なシステムは、本を本そのものとして売るのではなく、モノ化(「消費財」化)します。モノ化し、大量に流通させることでスケールメリットが発生し、利潤が生まれる。それが資本主義というシステムです。そこでは当然、人も消費財化します。「就活」システムは、乱暴に言えば、「消費財」として挙動できる人材を選ぶシステムであると言えます。新卒学生を100人採用する企業にとって、1人の大学生は消費財(数字)にすぎません。最終面接まで行くと「あなたが大切にしてきたことはなんですか?」とか本質的な質問がされ、経営者や役員が「あなたと働きたいかどうか?」で最終合否が決まっちゃうらしいのですが。(「はたらきたい~ほぼ日の就職論」(ほぼ日刊イトイ新聞)による)もし、大学生が、「手紙」を届けるような仕事がしたい、と思っているとしたら、就職以前に「就活」というシステムに馴染めないのは当たり前のような気がします。「就活」はフレームワークだと思います。企業が求めるフレームに、自分を合わせていくこと。そもそも仕事ってそういうものです。世の中というフレームの中で、ルールや状況に乗っ取って、価値を提供していくこと。消費財を最高速で交換し続けることで利益を最大化すること。「出版不況」に似ているなと思いました。かつて本が手紙だったとき、その手紙が届くべき人に届いたとき、その本はヒットすると、金子さんが言っていました。いつのまにか、「売れる本」を売るようになりました。マーケティングを駆使して、売れる内容、売れるタイトル、売れる装丁をつくりました。いつのまにか、本は手紙ではなくなった。もはやそういう余裕がないのかもしれません。「手紙」のような本を売り出すような余裕が。それでも、今でも、「届けてくれてありがとう」と思えるような、「手紙」のような本に出会います。たとえば、この年明けに読んだ3冊。「本を贈る」(三輪舎)「続・ゆっくりいそげ」(クルミド出版)「生きるように働く」(ミシマ社)3冊とも、手紙のような本でした。著者やつくり手の顔を知っているからかもしれませんが、じんわりと心に沁みてくるような素敵な本たちでした。そんな風に、「手紙」をやりとりするような本屋が作れないでしょうか。そして、「手紙」をやりとりするような「就活」ができないでしょうか。それは学生側だけじゃなくて、企業側、つまり採用側も望んでいるのではないでしょうか?「本」という「手紙」を届ける「就活」(または「採用活動」)「かえるライブラリー」で起こってほしいのは、きっとそういうことだと僕は思います。