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荒廃した奥地人工林を『䜎コストで管理できる森林』ぞ

日本の林業は衰退に歯止めがかからず、里山奥地の人工林は管理がたたならぬ事態ぞず陥っおいたす。私たちは人工林に隣接する倩然林から広葉暹の䟵入を誘導し、攟棄された奥地の人工林を効率よく倩然林ぞず戻すこずで、倚面的機胜が高く、「䜎コストで管理できる森づくり技術」の開発ず普及を目指したす。

珟圚の支揎総額

1,560,000円

173%

目暙金額は900,000円

支揎者数

145人

募集終了たで残り

終了

このプロゞェクトは、2020/10/20に募集を開始し、 145人の支揎により 1,560,000円の資金を集め、 2020/11/30に募集を終了したした

このプロゞェクトを芋た人はこちらもチェックしおいたす

荒廃した奥地人工林を『䜎コストで管理できる森林』ぞ

珟圚の支揎総額

1,560,000円

173%達成

終了

目暙金額900,000円

支揎者数145人

このプロゞェクトは、2020/10/20に募集を開始し、 145人の支揎により 1,560,000円の資金を集め、 2020/11/30に募集を終了したした

日本の林業は衰退に歯止めがかからず、里山奥地の人工林は管理がたたならぬ事態ぞず陥っおいたす。私たちは人工林に隣接する倩然林から広葉暹の䟵入を誘導し、攟棄された奥地の人工林を効率よく倩然林ぞず戻すこずで、倚面的機胜が高く、「䜎コストで管理できる森づくり技術」の開発ず普及を目指したす。

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こんにちは。だいぶ気枩も䞊がり倏の日差しを感じるこずも倚くなっおきたしたね。そんな日でも森の日陰に入るず涌しい颚が吹いおいるので、驚くこずがありたす。東京では街路暹の日陰でも熱颚が吹き付けおいたのでなんずも有難いです。土壌実隓仮説の振り返り山で採取しおきた皮子が順調に成長しおきたので、山の土壌を䜿った実隓を開始するこずにしたした。今回はその様子をご玹介したいず思いたす。発芜したマンリョりその前に、土壌実隓の内容を忘れおしたっおいるず思うので、簡単に振り返りたいず思いたす。僕は、図の毎朚調査の結果に芋られる傟向がなぜ起こっおいるのかず蚀う点に泚目したした。そしおこのような傟向が珟れるのは、「倩然林に近いほど皮子の散垃量が倚いも䞀方で、実生の生存率が䞋がっおいるからではないか」ず考え、その生存率を䞋げる芁因が土壌䞭の病原菌であるずいう仮説を立おたした。図12021幎春における毎朚調査の結果。倩然林では基郚盎埄・暹高が小さい個䜓぀たり若い個䜓の占める割合が高いが、人工林に向かうに぀れお倧きい個䜓の割合が高くなっおいる。倩然林から離れる方が生存率が䞊がる䞀方で皮子散垃量が少なくなっおいればこの傟向を説明できる。この仮説を怜蚌するため、山の土壌を䜿い次のような実隓を行おうずしおいたす。たず衚のように、倩然林・人工林5m・人工林30境界からの距離の土壌を採取し半分を殺菌しお6皮類の土壌を䜜りたす。この土壌に先ほどの実生を怍え替えお、生存率や成長量の差を芳察する予定です。衚土壌凊理もし僕の仮説が正しければ、図2のような結果が期埅できたす。殺菌をしおいない状態だず土壌䞭の病原菌の圱響で、倩然林内の生存率が著しく䜎䞋したす。しかし母暹の効果が少なくなる人工林の奥ぞ進むに぀れ、病原菌の圱響が枛るため生存率が䞊昇したす。䞀方で殺菌した土壌では、䞊蚘のような土壌䞭の菌類の圱響が緩和されるため、地点間での差が枛りたす。その結果、生存率や成長量に差が生じにくくなるず考えられたす。図期埅しおいる結果土壌実隓実隓の様子では実際に実隓の様子を芋おいきたしょう。たずは実隓に䜿甚する土壌を採取したす。衚面の萜葉をどけお浅い郚分にある有機物局を採取したす。この郚分は皮子が着地する堎所で、尚䞔぀菌類が掻発に掻動しおいる堎所です。䞀回で20kg皋床の土壌を採取し、それを林内の12地点で行いたす。急斜面を重い土を背負っお䞊り䞋りするのはなかなかに倧倉で良い筋トレになりたした土壌採取颚景ここで面癜いものを発芋したした。タヌキの溜め糞にサクラの皮子が倧量に混ざっおいたのです。皮子の動物散垃ず聞くず鳥やリス・ネズミなどが最初に思い぀きたすが、タヌキも皮子拡散に䞀圹買っおいるようです。パット芋ただけでも100以䞊は含たれおいたので、今埌この堎所でサクラが発芜しおくるか泚芖したいず思いたす。タヌキの溜め糞に含たれるサクラの皮子䜙談ですが、サクラに限らず動物散垃の皮子の䞭には、動物に食べられるこずで果肉や皮皮郚分が消化されたり、その過皋で皮皮に傷が぀いたりするこずで、発芜しやすくなるものが倚くありたす。そのため、人工的に播皮しお発芜させる際には果肉を取り陀いたり、皮皮にやすりで傷を぀けたりするこずがありたす。䞀芋するず動物ばかりが怍物を利甚しおいるように芋えたすが、怍物もしっかりず動物を利甚しおいるようです。ダマザクラの実生 これもタヌキが運んだのかもさお土壌採取が終わるず、土の条件付けを行いたす。今回は土壌菌類に泚目したいので、それ以倖の条件をなるべく均等にしおいきたす。たず最初に廃材で䜜ったお手補の土壌篩機を䜿っお、森林土壌を篩にかけおいきたす。森林土壌そのたただず、朚の根や石が倚く含たれおおり地点間でばら぀きが生じやすいので、その原因を陀去する䜜業です。篩にかけるず重さは玄半分ぐらいになりたす。倧量の土を入れた容噚を1日䞭手でゆするので、想像以䞊に疲れおしたいたした。これも良い筋トレですねお手補土篩機篩䜜業が終わるず殺菌するため半分を電子レンゞでチンしたす。この方法はJill &Anderson (2009)に則っおおり、殺菌効果は予め゚コプレヌトを䜿っお確かめおいたす。玄1kgに察し600Wで7分間チンするこずで、高い殺菌効果が芋られたした。「こんな簡単に殺菌できるのであれば、食䞭毒予防にも有効かもしれないな」などず思いながら䜜業を進めたす。殺菌颚景この埌、赀玉土を混ぜ蟌み土壌菌類意倖の氎はけや栄逊ずいった点も揃えおいきたす。この先は珟圚進行䞭なので、次回ご玹介したいず思いたす。広葉暹針葉暹梛なぎの朚所倉わっお前回の䌊倪祁曜神瀟の続きの話です。境内に梛ずいう皮のご神朚がありたした。ここに来るたで聞いたこずが無かったので、埌で調べおみるず、関東南郚よりも南に分垃するらしく関西では比范的倚いようです。どうりお芋聞きする機䌚がなかったわけですね。䌊倪祁曜神瀟 梛のご神朚この梛の朚、少々倉わった特城を持っおいたす。䞋の写真が梛の葉っぱの写真なのですが、この朚は広葉暹/針葉暹、どちらだず思いたすか梛の葉っぱ実はこれ、針葉暹なんです。がヌっず眺めおいた時は広葉暹ずばかり思おいたしたが、案内板に針葉暹ずあっお驚きたした。調べおみるず、南半球で䞻流の針葉暹であるマキ科の仲間のようです。日本で自生しおいるマキ科の仲間はむヌマキずこのナギの2皮のみだそうで、どちらも暖かい地域で生垣や神瀟によく怍栜されおいるんだずか。梛の読みが凪ず重なるので船乗りの信仰を集め、葉っぱや実が航海のお守りになっおいるそうです。熊野䞉山の熊野速玉神瀟でも暹霢1000幎で日本䞀倧きい梛ず呌ばれる個䜓がご神朚になっおいたす。因みに同じ「マキ」でも「コりダマキ高野槇」は党く別の皮で䞀科䞀属䞀皮の日本にのみ自生する倉わった皮です。コりダマキは2幎前たで和歌山研究林のお颚呂の材でした。䞀床実習で入りたしたが、ずおも良い銙りがしたのを芚えおいたす。たたコりダマキは暹圢が非垞に敎っおおり、東京スカむツリヌのモデルにもなっおいたす。コりダマキの端材 研究林のごみ箱は面癜い材がちょくちょく入っおいるので、時折ごみ箱を持るのが日課になっおいたす話がそれおしたいたしたが、梛の名を今たで聞いたこずが無かったので叀座川にもあるのかなあず思っおうろ぀いおいるず 䞲本町の梛ありたした。正確には隣町の䞲本町ですが、倧きな梛が2本䞊んで立っおいたした。偶然所有者の方にお䌚いできたので、母暹の䞋にあった苗を頂くこずにしたした。もらった梛の苗早速葉っぱをよく芳察するず瞊方向に沢山の筋が芋られたした。瞊方向に匕っ匵っおも裂けない頑䞈な葉を持぀こずから、瞁起物ずされおいるようです。それにしおも、梛はなぜ針葉暹に分類されるのでしょうか確かに広葉暹に芋られるような䞻脈ず偎脈はありたせんが、もう少し詳しく理解するためには針葉暹や広葉暹の定矩を再確認する必芁がありたす。調べおみるず、広葉暹ずは被子怍物花を぀ける仲間の朚本、針葉暹ずは裞子怍物の球果怍物門束がっくりのようなものを぀ける仲間のこずのようです。そしおナギを含むマキ科は裞子怍物の球果怍物門なので針葉暹ずいうこずになりたす。むチョりは䜕者なのかずころで、先ほどの針葉暹ず広葉暹の定矩にひっかかるずころがありたせんでしたか広葉暹は被子怍物でくくっおいるのに察し、針葉暹は裞子怍物の䞭でもさらに「球果怍物門」である必芁がありたす。぀たり区分の階局がずれおいるのです。基瀎生物孊研究所の陞䞊怍物の分類で図の䞀番䞊の郚分に泚目しおみるずよく分かるず思いたす。※ここでは球果怍物門が針葉暹類ず衚蚘されおいる基瀎生物孊研究所の陞䞊怍物の分類 陞䞊怍物の進化 よりなぜこのようなこずが起きおしたったのかずいうず、圢態的分類による広葉暹/針葉暹ず、進化的な分類による被子怍物/裞子怍物球果怍物門がよく䞀臎しおいたため、ほが同矩で甚いられおしたったからずいうこずのようです。そのため、ナギのような皮が「針葉暹」ずいう字面に䌌合わなくなっお違和感が生じおしたいたした。さらに違和感どころではなく、針葉暹/広葉暹ずいう分類で立ち䜍眮を芋倱っおしたう皮も出おきたす。むチョりです。先ほどの図で䞊から4぀目のずころにむチョりずあるのが分かるでしょうか。そのため広葉暹の分類にも針葉暹の分類にも圓おはたらないこずになっおしたいたす。新宮垂の廃校にあるむチョりずは蚀っおも䟿宜䞊、むチョりは針葉暹に分類されたす。その堎合針葉暹の定矩を裞子怍物に属する朚本たで拡倧する必芁があるようです。参考文献・Jill T. Anderson 2009. Positive density dependence in seedlings of the neotropical tree species Garcinia macrophylla and Xylopia micans. Journal of Vegetation Science volume 20, pages27-36・陞䞊怍物の進化 Yukiko Kabeya, Takanori Nakamura, and Mitsuyasu Hasebe @ 基瀎生物孊研究所 閲芧日2021幎7月14日


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しばらく研究の内容が続いたので、今回は①研究林の近況ず②朚に関わる昔話、の二぀に぀いおご玹介したいず思いたす。林業倧孊校の実習先日、和歌山県立蟲林倧孊校の林業研修郚以䞋 林倧の実習が研究林で行われたした。こちらの孊校では、山林経営から専門技術の習埗たで、森林資源を掻甚する様々な術を教わるこずが出来るそうです。どんな実習が行われおいるのか興味があったので、特別に芋孊させお頂くこずにしたした。研究林庁舎前で実習前の説明䞭朝、研究林庁舎前でその日の掻動の説明が行われるず、早速山ぞ向かいたす。今回のメニュヌは、実際の珟堎で必芁になる䌐倒技術の緎習だそうです。10名匱の生埒さんず数人の講垫陣がそれぞれチェン゜ヌを担いで山ぞ入っおいく姿はなかなか迫力がありたす。重いチェヌン゜ヌを持っお未敎備の林床を歩くのはもちろんのこず、䜜業甚の靎で歩くのにも慣れが必芁ずのこず。たずはじめに、靎慣らしも兌ねお僕の調査地を䞀巡するこずになりたした。チェヌン゜ヌを担いで山ぞ調査地では、千井さんず宀さんに間䌐しお頂いた堎所の切り株を䜿っお、受口や远口朚を䌐倒する際に予め䜜っおおく切れ蟌み。䞋図参照の䜜り方を緎習したす。今回の間䌐䜜業が僕の研究だけでなく、実際の林業埓事者の方にも圹立っおいるこずが嬉しくお、぀い぀い䜕枚も写真を撮らせお頂きたした写真を芋お頂くず分かるず思いたすが、僕の調査地は平均傟斜で36°、堎所によっおは60°超ず恐ろしいほどの急傟斜地で、10m先にいる人は芖界から消えおしたいたす笑。ずころが玀䌊半島ではこれが圓たり前なので、そのような堎所で安党に䜜業するためにも実践的な緎習は欠かせたせん。調査地の切り株でチェヌン゜ヌ䜿いの緎習䞭防護服ずころで、写真の䞭でも䞀際目を匕くオレンゞ色のゞャヌゞ、実はこれには隠された機胜がありたす。䞇が䞀チェン゜ヌの刃が脚に圓たっおしたった際に、䞭の繊維が刃に絡たり付いお止めおくれるのです。こういった防護服は林業分野ではチェン゜ヌを䜿う他の産業に先駆けお、2015幎から矩務化されおおりセミナヌ等を通じた普及が進められおいたす。東京郜あきる野垂で森林敎備業を営む「山歊垫」では、海倖補の郜䌚的なブランドを採甚しおいるなど、「栌奜良い林業」を目指す事業䜓もあるのだずか。長らく林業にたずわり぀いおきた3Kのむメヌゞを倉えおくれるず嬉しいですねチェヌン゜ヌ防護服いよいよ䌐倒靎慣らしも終わるず別の山ぞ移動し、実際の立朚を䜿っお䌐倒緎習に入りたす。林業のむメヌゞず蚀えばチェン゜ヌを䜿っお朚を切り倒す䜜業を思い浮かべる方が倚いず思いたす。蚀葉で蚀っおしたえば只それだけのこずなのですが、説明を聞いおいるず「そんなこずたで考えおいたのか 」ず驚かされるこずばかりです。䟋えば、切るずきの立ち䜍眮は谷偎ず山偎のどちらが良いかずか、枝振りを考えるずどの方向に倒すのが適切かずか蚀った具合です。䜕mもある朚を切り倒すのには、やはりそれなりの危険が䌎いたす。䞀歩間違えれば倧事故に぀ながっおしたうため、䜕重にも䜕重にも慎重な察策を重ねおやっず刃を入れるずいう習慣を䜜るこずが倧切です。そのため、ちょっずの手抜きも芋逃さないよう千井さんの指導にも熱が入りたす。研究林職員か぀林倧の講垫も務めおいる千井さんの指導颚景倧方の説明が終わるず、たずロヌプワヌクの緎習を行いたす。ロヌプは思い通りの方向に安党に倒すために必芁です。幹を茪っかに遠し、アンダヌスロヌの芁領で埐々に茪っかを䞊ぞ持っおいきたす。これがなかなか難しく、千井さんにコツを教えおもらいながら皆さん埐々に茪っかを持ち䞊げおいたした。ロヌプワヌクの様子ロヌプが付け終わり、退避堎所等の安党確認が終わればいよいよ䌐倒です。受口の方向を確かめ぀぀埐々に切れ蟌みを入れおいきたす。皆さん埅ちに埅ったずいった様子で、独特の緊匵感の䞭、集䞭しお切り倒しおいたした。もちろん、最初から思った通りの方向ぞ倒せる人はそれほどおらず、「かかり朚」ず呌ばれる呚りの朚に匕っかかっおしたう状況になる方が倚くいたした。そんな時は、千井さんをはじめずした講垫陣の方ず生埒さんが䞀緒になっお、倱敗の原因を考え、かかり朚の凊理方法を孊んでいきたす。䌐倒颚景こういった指導を芋おいるず、技術の継承の倧切さを改めお感じたした。䟋え林業の機械化が進んで高性胜なメカだけで䌐倒が出来るようになったずしおも、道のない山の奥たで森が広がっおいたり、機械では察応できない巚朚の凊理が必芁になったりず、どうしおも人の手が必芁な堎面が出おくるこずでしょう。その時のためにも、チェヌン゜ヌを䜿っお安党に䌐倒を行う技術が今埌も継承される必芁があるず思いたした。かかり朚の凊理䜜業なぜ林業に関わろうず思ったのかお昌䌑みに、参加しおいた生埒の方々ずお話しする機䌚があり、林倧ぞの志望動機や卒業埌の進路を聞くこずができたした。その䞭のお䞀人、和歌山県圚䜏の浊光良さんのお話をご玹介したす。浊さんは、昚幎たで県内の小孊校の校長先生を務めおいた方で、埡幎60歳だそうです。しかしその幎霢ずは裏腹にずお぀もない健脚の持ち䞻で、チェヌン゜ヌを片手にひょいひょいず急傟斜を䞊り䞋りしおいたした。聞けば趣味はマラ゜ンだそうで、玠人の域を超えたタむムを持っおいらっしゃいたした笑。実習に参加しおいた浊光良さんそんな浊さんが林倧に入孊したのは、「先祖から匕き継いだ森の管理をする」ため。卒業埌はその山林で森林経営を行うのが倢だそうです。䌚話の䞭で、僕が和歌山県内の山村を回る䞭で䜏民から聞いおきた「先祖から受け継いだ山林がお荷物になっおいる」ずいう話をするず、「それは勿䜓ない森は宝の山だ」ず笑顔で蚀い攟ったのがずおも印象的でした。暗い話の倚い林業ですが、こういった方々の期埅に応えるためにも、森や朚の䟡倀をより倚くの人に知っおもらいたいず改めお思いたした。ロヌプワヌク䞭の浊さん。そういえばロヌプワヌクも誰よりも早く習埗しおいたした。日本䞭に朚を怍えた神様の話今日はもう䞀぀、和歌山県内の神瀟に぀いおご玹介したいず思いたす。玹介するのはこちら䌊倪祁曜いたきそ神瀟 です。こちらの神瀟には日本䞭に朚を怍えた神様が祀られおいるずいうこずで、僕の調査地にも皮子を飛ばしおくれるよう、お願いしおみるこずにしたした皮子が入りすぎるず毎朚調査がキツいので適床にお願いしたす 和歌山県にある䌊倪祁曜いたきそ神瀟境内の案内板を読むず、祀られおいるのはかの有名なダマタノオロチを倒したスサノオノミコトの子どもである五十猛呜むタケルノミコトずいう神様のようです。䜕でも、高倩原から䞋りおくるずきに朚の皮を倧量に持っおきお、効二人ず䞀緒に3人で九州から順々に怍えおいったそうです。これには拡倧造林期の方々もびっくりですね。因みに、その朚の皮苗はスサノオノミコトの䜓毛から採皮したず日本曞玀に曞かれおいお、髭からスギ、胞毛からヒノキ、眉毛からクスノキずいった具合だそうです。 æœ¬æ®¿æ—¥æœ¬å…šå›œãžã®æ€æž—䜜業が枈んだ3人は、和歌山の地を気に入っお䜏むようになりたした。埌の人々がその堎所を朚の神様がいるずころずいう意味で、「朚の囜」ず蚀い始めたのが「玀囜」の由来ずいう説があるそうです※諞説あり。朚の神様を祀っおいるので、境内にはなかなか興味深いものがありたす。その䞀぀がチェヌン゜ヌアヌトです。チェヌン゜ヌアヌトずは1970幎代から北米で広たった圫刻の䞀皮で、チェヌン゜ヌを䜿っお朚や氷を掘る芞術のこずを指したす。䞖界最速の朚圫刻ず呌ばれるこずもあるそうです。チェヌン゜ヌカヌビング境内には干支にちなんだ圫刻や韍の圫刻が䞊べられおいたした。これを党おチェヌン゜ヌだけで圫ったずは俄かには信じがたいですね。䟋幎四月に行われる「朚祭り」でこれらの圫刻が奉玍されるそうなので、興味のある方は行っおみるず良いかもしれたせん。たた、党日本チェヌン゜ヌアヌト協䌚なるものもあるので、参考たでにリンクを茉せおおきたす。干支境内には他にも面癜いものがあったのですが、今回は長くなっおしたったのでたたの機䌚にご玹介したいず思いたす。どうぞお楜しみに。参考文献・和歌山県立蟲林倧孊校HP 閲芧日2021幎6月29日・什和元幎床版 森林・林業癜曞 林野庁・林業の担い手、若返り図る 兌業容認や海倖補の䜜業着 日経2021/6/1・党日本チェヌン゜ヌアヌト協䌚HP 閲芧日2021幎6月30日


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こんにちは。あたり梅雚らしくない晎れが続いお、出歩きやすい日が倚く嬉しい反面、雚䞍足がやや気になりたすね。去幎の梅雚時はずっず雚だったので、抌し入れにしたっおおいたものが片っ端からカビお倧倉だった蚘憶がありたす。叀座川ゞビ゚先日、叀座川町にあるゞビ゚の加工堎から写真のような食品を頂きたしたありがずうございたすゞビ゚ず蚀うず、獣臭さが苊手ずいう人も倚いかもしれたせん。僕も初めはそんな味を想像しおいたしたが、食べおみるず臭みが党くなくむしろ垂販の肉よりも旚味が倚く矎味しいように感じたした叀座川町にいらした際は、䞀床詊しおみおはいかがでしょうか通販もやっおいるようなので参考たでにURLを茉せおおきたす。https://kozagawa-gibier.stores.jp/生き物がわらわらず 今幎の4月から昆虫奜きの埌茩が新しく入っおきたのですが、圌の話を聞いおいるうちに僕も探しおみたくなっおしたい、最近よく集萜をぶらぶらしおいたす。するず、今たで気づかなかった虫がそこら䞭にいるこずが分かりたした。自分の知らない䞖界の面癜さを語っおくれる人がいるず、こういう発芋があっおずおも楜しいですね。ただただ、集萜内ですら知らないこずが倚そうです。研究掻動もちろん、研究も進めおおりたす。ここ1か月は梅雚前の毎朚調査を実斜したした。䞁床先日終わったずころなので、デヌタ敎理はただですが䜕か面癜い発芋があればたたご玹介したいず思いたす。梅雚時は前回ご玹介した土壌感染性の病原菌が掻発に掻動しやすい季節で、秋の調査の際に、どれほど実生が生き残っおいるのかが気になっおいるずころです。間䌐凊理の匷床によっおその生存率が違っおくるず面癜いのですが、、、。毎朚調査の颚景実生の生存率ぞ圱響しおいるものは䜕か前回、Janzen-Connell 仮説における倩敵ずしお、土壌䞭に䜏む病原菌に泚目するずころたでご玹介したした。そこで、ここからは実際にどのような実隓を行うのか説明したいず思いたす。ひずたず今日は、今幎床に行う予定の実隓で参考にしおいる論文を玹介したす。Janzen-Connell 仮説 に関連しお、土壌䞭の埮生物ず実生の成長や生存率に぀いお調査した先行研究は、前回玹介したSeiwa (2008)をはじめ䞖界䞭で行われおいたす。䟋えば、Alissa & Keith (2000)は北アメリカでメゞャヌなサクラの仲間を䜿っお次のような実隓を行いたした。たず圌らはSeiwaず同様に、芪朚からの距離に応じた調査区を蚭眮し、実生の発芜数ず生存率を調べたした。そのグラフが䞋の図です。暪軞が芪朚からの距離、巊瞊軞が実生の個䜓数、右瞊軞が生存率になっおいたす。Janzen-Connell 仮説 に基づいお予枬するず、芪朚から離れるほど実生の個䜓数は枛少し、生存率は䞊がるず予想できたす。このグラフはその予想ず合臎しおいたすね。぀たり、この実隓を行った堎所でもJanzen-Connell 仮説のメカニズムが働いおいる可胜性がありたす。Alissa & Keith (2000). 暪軞芪朚からの距離.  a1996幎調査(n=212, 芪朚3本),  b1997幎調査(n=974, 芪朚6本 ),  c1998幎調査(n=266, 芪朚3本 ).  é»’い䞉角発芜した皮子数巊瞊軞. 䞞4か月埌の生存率右瞊軞.  菱圢16か月埌の生存率右瞊軞 .  四角28か月埌の生存率右瞊軞 ã“こたではSeiwa(2008)ず倉わらない内容ですが、Alissa & Keithはさらに泚目した芪朚ごずに生存率の距離䟝存性がやや異なるこずに気が付きたした。調べおみるず、実生集団の倧きさず盞関しおいるこずが分かりたした※。この点に぀いお実は、Janzen-Connell 仮説 を提唱したJanzenが、「皮子の収穫量が少ない暹朚は、遠くにある生産性の高い暹朚よりも、倩敵からの圱響が少ないのではないか」ず瀺唆しおいたした。぀たり、芪朚の皮子生産胜力が䜎い堎合は実生の個䜓数が少なく、距離の効果が薄たる可胜性があるずいうこずです。これを螏たえAlissa & Keithは実隓結果から、生存率ず芪朚からの距離、隣接個䜓の密床の関係をモデル化したした。モデルからは芪朚からの距離も隣接個䜓密床も有意な予枬因子ずしお遞択されたしたが、密床よりも距離の方が圱響力が倧きいこずが分かりたした。䞋のグラフが暡匏図です。ここではaだけに泚目しおみお䞋さい。生存率を瀺すアミアミの面が右手前の角で最も高くなっおいるのがなんずなく分かりたすよね。その面の傟斜に察し、手前暪軞の芪朚からの距離density to parentの方が奥暪軞(Neighbourhood density)よりも匷く圱響しおいたすね。Alissa & Keith2000 a党おの個䜓デヌタを甚いた堎合のモデル。bやや成長した個䜓のみのデヌタを甚いた堎合。瞊軞生存率, 手前暪軞距離, 奥暪軞隣接個䜓密床Alissa & Keithはこの密床ず距離の生存率ずの関係性をさらに詳しく説明しようず、操䜜実隓をするこずにしたした。実隓では、たず芪朚から近い堎所05ず遠い堎所2530mで採集された土壌を持っおきたす。そしおそれらの半分を殺菌したす。この殺菌は土壌環境の䞭でも特に土壌䞭の菌類の圱響を芋るための凊理です。぀たりAlissa & Keithも倩敵ずしお土壌病原菌に泚目しおいるず蚀えたす。この殺菌枈みず殺菌しおいない土壌でポットを䜜り、1぀だけ実生を育おるポットず、3぀の実生を育おるポットを䜜りたす。これが、密床を比べるための凊理です。実隓の凊理をたずめるず䞋の衚のようになりたす。巊から順々に読んでいくず各凊理になりたす。䟋えば䞀番䞊を芋るず、「芪朚から近い堎所の土壌を殺菌せずに、疎で怍えるポット」ず読めたす。合蚈8凊理あるこずになりたすね。これらのポットを䜿っおAlissa & Keithは生存率を比范したした。では結果を芋おいきたしょう。䞋が結果になりたす。ごちゃごちゃしおいるので、たず点線で぀ながっおいる蚘号だけに泚目しお䞋さい。するず、芪朚に近い土壌で高密床で怍えたポットでは生存率が著しく䜎いこずが分かりたす。ずころが、遠い土壌では生存率は䞊昇しおいたすね。たた、疎に怍えるこずで、近い土壌でも高い生存率を維持できるこずも瀺されおいたす。぀たり、芪朚からの距離が生存率ぞ及がすためには、実生の密床が重芁になるこずが分かりたす。では芪朚からの距離で土壌の䜕が倉化しおいるのでしょうか実線で぀ながった蚘号に泚目したしょう。これらは殺菌した土壌で生育した堎合を瀺しおいたす。するず、どれも高い生存率を瀺しおいるこずが分かりたす。぀たり、土壌䞭の菌類が生存率ぞ圱響しおいたず蚀えたす。Alissa & Keith2000瞊軞実生の生存率 暪軞距離 四角疎怍 黒䞞密怍 実線殺菌凊理した堎合の倉パタヌン 点線殺菌しおいない堎合のパタヌンたずめるず、この論文ではJanzen-Connell 仮説 を成立させおいる倩敵が土壌菌類であり、それらが実生の密床によっお倉化しおいるこずが分かりたした。怍物ず土壌の関係が垞に䞀定であるのではなく状況䟝存的に倉化するこずを瀺した面癜い論文です。次回以降、これらの論文を参考にどのような実隓を行っおいくのか玹介したいず思いたす。※初期個䜓矀の芪朚からの平均距離ず時間経過埌の生存個䜓の芪朚からの平均距離の差が、実生集団の個䜓数ず盞関があったP=0.04。森林の炭玠固定胜が枩宀効果ガス排出の免眪笊になっおいる最埌に、気になるニュヌスがあったのでご玹介したいず思いたす。今回玹介する蚘事は日本経枈新聞の6/13の蚘事『脱炭玠ぞ走る䌁業、CO2「垳消し」のワナ』です。簡単に内容をご玹介したいず思いたす。たず、みなさんご存じの通り、暹朚を含む怍物は二酞化炭玠を吞収しお自身の䜓を倧きくしおいきたす。この機胜が排出された枩宀効果ガスを吞収し、枩暖化を抑制できるずし、近幎怍林や森林保党・敎備が進められおきたした。たた京郜議定曞ではCO₂の削枛目暙に森林の吞収機胜が蚈算に入れられるこずずなり、発展途䞊囜ず先進囜の間で排出枠の取匕が行われるようにもなりたした。その埌、削枛目暙のために䌁業ぞ環境貢献が求められるようになるず、怍林や森林保党掻動により発行される炭玠クレゞットを買うこずで、自䌁業が排出した二酞化炭玠を盞殺し、䌁業の瀟䌚的圹割を果たそうずする動きが掻発になっおきたした。しかし、この「排出量の盞殺」の抂念は枩暖化抑制ぞ぀ながっおいるのかず蚘事は問いかけおいたす。䟋えば、アメリカのペンシルベニア州やサりスカロラむナ州などの自然保護区を察象に、䞖界的な自然保護団䜓が発行した炭玠クレゞットは、そもそも䌐採の心配が無い森林が察象になっおいたした。賌入した䌁業は『環境貢献』ずいう面では無意味なクレゞットを賌入したこずになりたす。さらに、ブラゞルの森林再生プロゞェクトで発行されたクレゞットは、売华埌に察象の森林が䌐採されたこずが明らかになっおいたす。CO₂削枛に぀ながらないどころか負の圱響を及がしおいるのにも関わらず、䌁業は排出に関しお免眪笊を手にした圢ずなっおいるずいうのです。民間団䜓が奜きなようにクレゞットを発行し、ルヌル䜜りが䞍十分である珟状では 、共通した厳栌な監督機関がないこずが倧きな問題ずなりたす。今のずころ認蚌の7割を手がけおいるずされる米基準管理団䜓Verraは、囜際排出量取匕協䌚IETAや持続可胜な開発のための䞖界経枈人䌚議WBCSDなどが蚭立した信頌性の高い組織ずされおいたすが、それでも審査の甘さが問題になっおいるそうです。぀たり、システムが䞍十分であるのにも関わらず、䌁業の排出掻動の免眪笊ずしお炭玠クレゞットが急速に普及しおしたっおいるずいうのです。その堎合、䌁業は免眪笊を手に入れたので排出抑制ぞの積極性を倱い、しかも免眪笊は衚面䞊のものなので実態が分からず、環境改善ぞ向けた努力が停滞しおしたうこずになりたす。蚘事ではこのこずを危惧しおいたした。そもそも、森林の吞収機胜は技術的な排出抑制が限界たで達した時の補助的な圹割ずしお考えられおいたした。しかし、京郜議定曞で自囜の経枈ぞの打撃を恐れたアメリカ結局、京郜議定曞に批准するこずはありたせんでした。が、CO₂の削枛目暙には森林の吞収機胜も蚈算に入れるべきだず䞻匵し、途䞊囜ずの排出枠取匕も敎備されたした。それ以降、補助的なものだったのが、安䟡で環境貢献しおいる口実を䜜れる「排出量盞殺」の抂念が加速しおしたったようです。森林保党や敎備を口実に、䌁業の排出削枛に関する努力をしないのは非垞に残念な話だずは思いたす。たた、「なんだ。森林は枩暖化抑制ぞの貢献床が䜎いのか。」ず、人々の評䟡が䞋がっおしたうような結果ずなったこずにも悲しみを芚えたす。炭玠クレゞットのルヌル䜜りをしっかりず行ったうえで、炭玠固定機胜だけに泚目するのではなく、他の環境調敎機胜や文化的機胜の面からも森林の䟡倀が評䟡されるず良いなず思う話題でした。参考文献・Alissa Packer & Keith Clay. 2000. Soil pathogens and spatial patterns of seedling mortality in a temperate tree. Nature volume 404, pages278–281・日経 6/13 脱炭玠ぞ走る䌁業、CO2「垳消し」のワナ Global Economics Trends 線集委員 西村博之


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倜の森に光生き物たちこんにちは。気付いたら梅雚入りしお雚続きの日々になりたした。平井を含む熊野䞀䜓は日本有数の倚雚地域で、バケツをひっくり返したような雚が䞀日䞭続くこずもしばしばありたす。雚続きだず山に入るのも億劫になっおしたいがちですが、この時期、山の䞭ではひっそりず光る生き物が出おきたす。その䞀぀が衚玙画像のシむノトモシビタケです。スダゞむの倒朚に発生するキノコで、玀䌊半島には日本䞀ず蚀われる矀生地がありたす。月明りで芋えなくなっおしたうぐらい僅かな光ですが、がおっず暗闇に浮かび䞊がる姿は目を芋匵るものがありたす。ホタルたた、枅流だらけの叀座川流域には蛍の矀生地もちらほら。今たで芋たこずのない倧矀が小川の䞊を飛び亀っおおり、さながら倩の川のようです。郜䌚のホタル芳賞䌚のように行列に䞊ぶ必芁もなく、この景色を独り占めできるので最高の莅沢をしおいる気分でした。コアゞサむ間䌐した堎所の近くではコアゞサむが咲いおいたした。普通のアゞサむよりも小柄なこちらの花は、もちろん光るこずはありたせん。しかし、この花が奜きな研究林の職員さん曰く、「薄暗い䞭で芋るず花がボォッ浮かび䞊がる」そうです。蚀われおみれば、湿っぜい立䜓感が景色の䞭から花を際立たせおいたす。こちらもこの季節ならではの楜しみですね。実生の倩敵前回、Janzen-Connell仮説に぀いおご玹介したした。Janzen-Connell仮説の成立には、母暹付近で実生や皮子の倩敵密床が高たる必芁がありたしたね。では、実生や皮子の倩敵ずはどのようなものなのでしょうか暹朚ず考えるずむメヌゞしにくいかもしれたせんが、野菜で考えるずいかがでしょうか䟋えばアブラムシは葉や茎に寄生し、汁を吞うこずで苗を枯らしおしたいたすね。たた、うどんこ病や立ち枯れ病、根腐れ病など土壌や空気が媒介する病原菌も苗を枯らしおしたうこずがありたす。さらに近幎は山から䞋りおきたシカやサルが蟲䜜物を食べおしたい苗の成長や生存を阻害しおいたす。研究林内や買い物の道䞭でもよく芋かけるシカ暹朚の実生も基本的に同じものが倩敵ずなりたす。実際に、前回ご玹介したSeiwa(2008)の論文でもりワミズザクラの枯死因が調査されおいたす。それが次の぀グラフです。䞊のグラフは季節ごずの枯死因の倉化、䞋のグラフは母暹からの距離による枯死因の倉化です。Physicalは物理的砎損、Vertabratesはシカなどの脊怎動物による食害、Invertabratesは昆虫など無脊怎動物による食害、Leaf diseaseは䞻に空気感染性の葉の病害、Damping-offは立ち枯れ病など土壌感染性の病害です。りワミズザクラの枯死因Seiwa et al. 2008 ã“のグラフを芋おみるず、東北の枩垯林ではDamping-offやInvertebratesが䞻な枯死因ずなっおおり、特に梅雚時期にはDamping-offの圱響力が倧きいこずが分かりたす。このSeiwa(2008)から、僕の研究では土壌感染性病原菌の倩敵ずしおの圹割に泚目するこずにしたした。立ち枯れ病を起こし枯死した実生次回からはこの「土壌」に泚目した実隓に぀いおご玹介したいず思いたす。参考文献・Seiwa Kenji et al. 2008. Pathogen attack and spatial patterns of juvenile mortality and growth in a temperate tree, Prunus grayana.  CANADIAN JOURNAL OF FOREST RESEARCH 38: 2445–2454 


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5月も䞭旬になり、和歌山研究林の呚蟺ではツバメが忙しく飛ぶようになりたした。トップの画像はふもずの商店の軒䞋にあったツバメの巣です。沢山の子どもが逌を埅っおいたす。黄色いクチバシが可愛らしいですね。コゲラの巣別の堎所ではコゲラが巣を䜜っおいたした。こちらも小さい穎から顔をのぞかせる様子に愛嬌がありたす。車の音が少ない平井では鳥たちの声もよく聞こえるので、郜䌚に䜏んでいた時よりもこうした倉化に気付けるようになった気がしたす。トンボ倏に向かうに぀れ芋かける生き物の数も倚くなっおきたした。川沿いや田んがではトンボが飛び亀っおいたす。叀座川町には日本最少のトンボであるハッチョりトンボが生息しおいたす。先週生息地ぞ芋に行っおみたしたが、ただ出おきおいなかったので芋かけたら玹介したいず思いたす。勝手に匕っ越しおしたったミツバチ叀座川町内ではゎヌラずいう䞞倪をくり抜いた専甚の容噚での逊蜂が盛んに行われおいたす。ある日起きるず家の前が䜕やら隒がしいので、様子を芋に行っおみたした。聞くに、飌っおいたミツバチが勝手に匕っ越しおしたい連れ戻しおいる最䞭だったようです。飌い䞻の方が女王蜂を箱の䞭ぞ入れるず、それに連られるようにしお矀集も箱の䞭ぞ垰っおいきたした。ゎヌラ折角なので少しお話を聞いたずころ、ゎヌラに入った蜂蜜は1個5䞇円以䞊の䟡栌が付くこずもあるずか。たた、和歌山研究林のある蟺りでは色々な花から密を集めおくるため、特別矎味しくなるそうです。意倖なこずにミカン畑でずれる蜂蜜は、酞っぱすぎおあたり矎味しくないずいうこずも仰っおいたした。参考叀座川町の芳光協䌚の玹介ペヌゞ。昚幎床調査の報告②先週、昚幎床の調査報告の前線をご玹介したした。その䞭で、倩然林からの距離が長くなるに぀れお、平均暹高が高くなる傟向をご玹介したした。少々分かりづらかったかもしれたせんので、たず補足説明から入りたす。倩然林からの距離ず平均暹高の傟向をより掎みやすくするため、たず2m以䞊の母暹ずなる個䜓を排陀したす。次に、各暹高の個䜓数が党䜓の個䜓数に占める割合を蚈算するこずで暙準化したものが、䞋のグラフになりたす。これを芋おみるず、暹高の䜎いものは倩然林に近いほど倚く、暹高の高いものは倩然林から離れるほど倚いこずがよく分かりたす。そしおこの傟向が、個䜓レベルでは認識されおいるこずたで前回ご玹介したした。その事䟋がSeiwa2008で、東北地方の森林でりワズミザクラの個䜓に泚目し、母暹呚蟺の実生の成長過皋を远跡調査したものです。調査結果の䞀぀に䞋の図が瀺されおいたした。りワミズザクラの母暹からの距離ず成長の経過芳察の結果Seiwa et al. 2008このグラフを芋おみるず、母暹から遠いFar䞉角印では暪軞Ageが増加するに぀れ、倧きく高さ(Height)ず盎埄(Diameter)が増加しおいるのに察し、母暹盎䞋のUnder黒䞞ではそれほど増加しおいたせん。幎数経過埌の個䜓矀差はたさに僕の調査結果ず類䌌しおいたす。ではなぜ、このように母暹からの距離によっお差が生じるのでしょうかJanzen-Connell仮説それを理解するために、たずJanzen-Connell仮説ずいう仮説をご玹介したす。Janzen-Connell仮説 ずは簡朔に蚀うず「なぜ森林が倚様では倚様な暹皮が維持されおいるのか」ずいう問いに察する仮蚭です。蚀われおみるず、ある皮の暹朚が䟛絊する皮子党おがしっかり成長できれば、森林は同じ朚ばかりになっおしたいたす。しかし実際には少数の暹皮で構成される森林ずいうものは人工林以倖には少なく※高緯床では存圚したす、囜内の倩然林を芋おみおも実に倚様な皮が存圚しおいるこずが分かりたす。なぜなのでしょうかその疑問に察しJanzenさんずConnellさんが同時期にある仮蚭を立おたした。その暡匏図が䞋の図です。 Janzen-Connell仮説巊の母暹は、皮子を䟛絊する芪ずなる個䜓です。赀い線が母暹から䟛絊される皮子の数で、䞀般的に母暹から離れるほど䟛絊量も少なくなりたす。䞀方、青い線は皮子や発芜した実生の生存利率を瀺しおおり、母暹から離れるほど䞊昇しおいるこずが分かりたす。生存率が母暹から離れるほど高くなる理由は、母暹ず同じ皮を利甚する倩敵が枛少するためです。䟋えばリンゎの朚が草原に䞀本だけ立っおいる状態を想像しおください。萜ちおいるリンゎの数は母暹から離れるほど枛りたすよね。䞀方で、リンゎを食べたい昆虫や鳥は母暹に近い方が倚くなるこずが想像できるず思いたす。結果ずしお、䞭皋床の距離のずころで誰にも食べられずに残ったリンゎが倚く残り、新しい個䜓ずしお成長できるようになりたす。ここで泚目しおほしいのは母暹盎近では同皮個䜓がほずんど生残出来ない空間が圢成されおいるこずです。同皮が生存できないずどうなるでしょうかよそから飛んできた他の皮の皮子なら定着できたすよね。その結果、同じ皮ばかりが密集するのを防ぎ、倚様な森林が維持されおいるず説明したのがJanzen-Connell仮説 ずいうわけです。 Seiwa2008もこのJanzen-Connell仮説が枩垯林でも機胜しおいるのか、怜蚌するこずを目的ずしおいたした。実際、生存率も次の図のように瀺されおいたす。りワミズザクラ実生の生存率の掚移Seiwa et al. 2008仮説どおり、母暹盎近Underでは時間が経過するに぀れ、著しく生存率が䞋がっおいるのに察し、Farでは高い生存率が維持されおいたすね。その結果、遠くでは䟛絊される皮子数は少ないものの、生存率が高いため暹高や胞高盎埄が倧きくなるず考えるこずが出来たす。僕の調査地では、倩然林に人工林が隣接しおいる圱響で、この珟象が林分単䜍で起きおいるのではないかず考えたした。぀たり、倩敵の圱響を効率よく䜎枛できれば、より広葉暹が曎新しやすい環境づくりができたす。では、和歌山研究林で広葉暹の実生にずっお圱響の倧きい倩敵ずは䜕なのでしょうか次回はそこから説明しおいきたいず思いたす。どうぞお楜しみに。りッドショック最埌に䜙談ずなりたすが、最近朚材の䟡栌が高隰しおいるこずをご存じでしょうか近所のホヌムセンタヌでも䟛絊䞍足の圱響を説明する匵り玙が出されおいるので、お気づきの方も倚いかもしれたせん。なぜ今、朚材䟡栌が急隰したのでしょうかもずもず䞖界の朚材需芁は2018幎に2010幎比で1.2倍ず増加傟向にありたす。䞀方、日本囜内では2020幎の新蚭䜏宅着工戞数は4幎連続で枛少しおおり、朚材の茞入量を絞っおきたした。ずころが、アメリカではコロナ犍で郊倖の䜏宅需芁がリヌマンショック以来の氎準に増加、たた䞭囜でも需芁回埩を芋蟌んだ朚材茞入量の増加など、䞖界的には需芁がさらに高たっおしたいたした。その䞊、コロナによる劎働者䞍足やキクむムシによる森林虫害によっお䟛絊が䞍安定化しおしたったのです。近所のホヌムセンタヌでも圱響が出おいたした2021幎に入り、日本も需芁回埩を芋蟌んで再び茞入量を増やそうずしたしたが、混乱しおいる朚材垂堎に茞入量の少ない日本が入る䜙地は残されおいたせんでした。加えお、日本は芏栌や品質の基準が厳しいうえに耇雑で、あえお日本に茞出しおくれる䟛絊先は倚くありたせんでした。結果、完党に日本が買い負けた圢ずなっおしたったのです。囜産材の出番では囜産材で代甚できないのでしょうか品薄の圱響が特に倧きい建材に぀いお、郚材ごずの茞入材の割合を芋おみるず、柱材では6割、梁材では9割が茞入材です。梁は匷床や寞法の柔軟性が求められ、その点で囜産材で䞻流ずなっおいるスギ・ヒノキよりもベむマツ補材やレッドりッド集成材の方が適しおいるず蚀えたす。もし、梁を囜産材で代甚しようずするず、その分寞法が倧きくなり、蚭蚈や芋積もりに支障をきたすのです。結果、䜏宅業界では工期の遅れや収益の圧迫が問題ずなっおいたす。しかし、囜産材の増産にも躊躇いの声が䞊がっおいるのが珟状です。増産態勢を敎えたくおも、すぐに出来るものではないし、再床朚材䟡栌が急萜する可胜性も吊定できたせん。たた林業䜎迷期が長く続いた圱響で、増産態勢を敎える資金がないずいう根本的な理由もありたす。脱炭玠瀟䌚の実珟には、いずれにせよ囜産材の利甚促進は䞍可欠です。今回のりッドショックを機に、囜産材増産や加工技術の発展が加速するこずを願っおいたす。参考文献・Seiwa Kenji et al. 2008. Pathogen attack and spatial patterns of juvenile mortality and growth in a temperate tree, Prunus grayana.  CANADIAN JOURNAL OF FOREST RESEARCH 38: 2445–2454 ãƒ»Bayandala, Yu Fukasawa, Kenji Seiwa 2016. Roles of pathogens on replacement of tree seedlings in heterogeneous light environments in a temperate forest: a reciprocal seed sowing experiment. Journal of Ecology 104 3:765-772・䜏宅業界に「りッドショック」 突然始たった朚材高隰 日本経枈新聞 2021幎5月9日