みなさん、おはようございます!寒い朝を迎えております。日々、水源の山にこもり、配管作業に没頭しておりますと、自然と向き合う日々の中で、これまで見落としていた「学び」が次々と姿を現しています。先日、激しい雷雨とともに、川も増水しました。しかし、豊かな「涵養(かんよう)の森」という天然のダムを持つこの芳井集落の水源は、これしきの雨ではびくともしていません!森がその懐に水を湛え、静かに、かつ力強く蓄え続けている――。豊かな保水力が持つ凄まじいエネルギーを、いま身をもって実感しています。■山中に息づく「先人の知恵」配管を抱えて山中を歩いていると、ふと足が止まる瞬間があります。谷の勾配が急な場所のあちこちに、不自然なほど大きな石や、意図的に組まれたような石積みが現れるのです。それは決して偶然の産物ではなく、激流による谷の侵食を防ぐための、先人たちの緻密な配慮でした。特に心を打たれた場所が2つあります。■「鎮守の雫」を抱く深い谷最初はただ石が溜まっているだけかと思いましたが、目を凝らせば、そこには「明確な意志」を持って組まれた形跡があります。■取水槽からタンクへ至る急斜面水が一直線に流れ落ちて斜面を削ってしまわないよう、あえて水の流れを「ジグザグ」に誘導する工夫が施されていたのです!!■故郷の記憶と重なる、高度な治水技術このジグザグの流路を目にした瞬間、私の脳裏に故郷・松山市の「岩堰(いわぜき)」が鮮烈に蘇りました。かつて伊予松山藩の足立重信が築いた岩堰は、暴れ川であった石手川に巨大な岩を配して急流をいなし、洪水を防ぎつつ豊かな農業用水を確保した画期的な技術です。芳井の山奥にひっそりと残るこの小さな谷にも、故郷の岩堰と同じ「自然の力を巧みに受け流す」高度な思想が息づいていました!限界集落と呼ばれるこの地に残されたこれらは、紛れもない、守るべき「民俗遺産」。森を育て、水資源を慈しみ、今日まで守り抜いてきた先人たち。その足跡を辿るほどに、畏敬と感謝の念が込み上げてやみません!!■生命の水を、次代へ繋ぐ責任この開拓地で「貴重な水」を使わせていただく以上、この遺産を次世代へ引き継ぐ責任が私にはあります。この水系をしっかりと整備し、守り固めていくこと。それが私の果たすべき責務です。先人の想いと知恵が詰まったこの美しい水と森を、未来へと大切に繋いでいきたいと思います。





