〜手作り給餌器への大改造と、極上のコクを引き出す秘密兵器〜みなさん、おはようございます!今日も高知の自然に囲まれた「しゅりの森自然農園」で、愛すべきはちきん娘(鶏)たちと向き合う朝を迎えています。昨日の投稿では、生産者としての素直な葛藤や、直面している「壁」について、ありのままをお話ししました。不器用な発信を温かく受け止めてくださるみなさんに、心から感謝しています。単なる概念としての命ではなく、今まさに温かい血が通い、力強く生きている「生命」。それを預かる身として、一番胸が締め付けられていたのが、「つつきの順位」によって生じる、食事の格差でした。毎日、愛情を込めて手作りしている地元産のごはん。でも、いざ食事の時間になると、どうしても元気で気の強い子が先に場所を陣取ってしまいます。その影で、控えめで優しい小さな子たちは弾き出され、隅っこでじっと順番を待っている……。「早く食べたいよね。ごめんね、もう少し待っててね」そう心の中で謝りながら見つめる光景は、本当に辛いものでした。食べる量や栄養に偏りが出れば、当然、卵黄の品質に「バラツキ」が生まれます。鶏の世界だから仕方がない、自然界の摂理だ。そう言って諦めてしまうのは、とても簡単です。でも、目の前で一生懸命に呼吸し、生きようとしている一つひとつの「生命」を前にして、私はどうしても諦めきれなかった。「どの子にも平等に、お腹いっぱい食べてほしい」「みんな揃って、健康に育ってほしい!」ただ生かすのではなく、生命のエネルギーを最大限に輝かせてほしい!生産者としてのその矜持にかけて、ここだけは絶対に妥協したくありませんでした。そして同時に、長く待ってくださっているみなさんに心から喜んでいただくため、黄身の味わいにもう一段階、圧倒的な「コク」を引き出したいという強い想いもありました。そこで今回、昨日の宣言通り、この2つの大きな壁を乗り越えるべく現場で大きな改良に踏み切りました。【1】「極上のコク」を引き出す、地元醤油蔵の恵み昨日の投稿でもお伝えした通り、大雨や台風の復旧作業を乗り越え、昨日ようやく入手できた、地元の老舗・マルバン醬油さんの「醤油粕」。さっそくこれをエサに配合し始めました!実はこれ、人間でいうところの「腸活」なんです。発酵食品ならではの豊かな旨味成分と、生きた酵母菌。さらに醤油粕には、「グルタミン酸」などの旨み成分や、「ロイシン」といったコクを引き出す多様なアミノ酸がたっぷりと含まれています。そして何より見逃せないのが、従来からこだわって与えている「土佐清水産の宗田鰹(そうだかつお)の魚粉」との組み合わせ宗田鰹の力強いアミノ酸と、醤油粕の奥深いアミノ酸。この2つのうまみ成分が掛け合わさる「相乗効果」によって、卵黄にこれまでにない変化が起きます。ほかほかの炊きたてご飯にポンッと割った瞬間、そして一口頬張った瞬間……。どんな香りが鼻を抜け、どんなコクが舌の上に残るのか?あえてここでは多くを語りません。ただ一つ言えるのは、思わず「うまいっ!」と声が漏れてしまうような、生命の力強さが凝縮された、心が震えるほどの深い味わいが引き出されるということです。このお宝が詰まったごはんを食べることで娘たちの腸内環境は劇的に整い、栄養をしっかり消化吸収できるようになります。お腹の中から健康になり、たまごにしっかりと味が乗ってくるまでには少し時間がかかりますが、きっとみなさんの想像を超えるような味わいになるはず。お醤油はかけず、そのままか「お塩」で食べていただくことを想定した究極の卵かけご飯。ぜひ、楽しみにしていてくださいね!【2】みんなが平等に食べられる「給餌器(エサ箱)の大改造」どんなに最高のごはんを作っても、全員に平等に届かなければ意味がありません。強い子も控えめな子も、みんながお腹いっぱい食べられるように。昨日の宣言通り、得意の道具を力強く握りしめ、現場でエサ箱を大改造しました!既製品を買おうとすれば数十万円。「なら、無いものは自分の手で作るしかない!」そう腹をくくり、最初は竹や板で作った長い「とい」を地面に直接置く「据え置き式」にしていました。しかし、鶏には「足で地面を掻き分けてエサを探す」という強い本能があります。そのため、エサ箱の中にドカッと入り込んで足で蹴り散らかしたり、強い子がそこを陣取って他の子を追い払ったりしていました。この状況を打破すべく、養鶏を営んできた先人の方々からのお知恵をお借りして、エサ箱を「吊り下げ式」に変更しました。地面から23センチ。ちょうど鶏さんの胸の高さになるように、鶏舎の梁(はり)からロープで吊り下げたのです。すると、どうでしょう。固定されていないエサ箱は「ゆらゆら」と揺れるため足場が不安定になり、強い子が中に乗り込んで陣取ることがなくなりました。さらに絶妙な高さがあるため、足で掻き出すこともなく、首を伸ばして一生懸命食べています。その結果……みんなが争うことなく横一列に並んで、行儀よく食べてくれるようになりました!いつも後ろに追いやられていた小さな子たちも、安心した様子で、夢中になってお腹いっぱい食べている。その光景を見た瞬間、ずっと抱えていた胸のつかえがスッと取れて、「よかった……本当によかった」と、安堵と嬉しさのあまり、現場で思わず泣きそうになりながらガッツポーズ。念には念を入れて、エサ箱の少し上の部分に1本のロープをピンと張り、飛び乗ることを防ぐ「立ち入り禁止のバー」も設置しました。エサのロスも減り、常に清潔な状態で、みんなに平等にごはんが行き渡る仕組みがようやく完成です!理想のたまごづくりへの道は、常にトライ&エラーの連続です。それはまさに、泥だらけになって切り拓いてきた、これまでの開拓生活と全く同じ。正直、決して平坦な道のりではなく、悩み、立ち止まりそうになることもあります。でも、躍動する生命たちの行動をじっくり観察し、先人たちの知恵に学びながら、「なるほど、こうすればみんな幸せになれるのか!」と、一つ一つ課題をクリアしていく過程は、言葉にできないほどのやりがいがあります。みなさんに「応援してよかった!」「待っててよかった!」「美味しい!」と、心から笑顔になっていただける。そんな最高の『しゅりたま』をお届けするために、今日も全力で汗を流します。これからも、しゅりの森自然農園の不器用だけど真っ直ぐな挑戦を、どうか温かく見守り、応援していただけると嬉しいです!それではみなさん、今日もよい一日をお過ごしください。




