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小説好きのあなたに近未来を届けます。

お届けする作品は『未来探検隊』の他三つです。四作品とも未発表。何れもワープロ原稿をワードの添付メールで送信。僕に送り先のメルアドが届き次第、直ちに送ります。スマホや他の携帯には送れても容量が大き過ぎて開けません。パソコンは大丈夫。ワードで圧縮せずに送るので今までの経験では問題なしでした。

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支援者数

4

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終了

このプロジェクトは、2021/04/05に募集を開始し、 4人の支援により 18,000円の資金を集め、 2021/06/04に募集を終了しました

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■『未来探検隊』の抜粋は「その20」で終了です。抜粋は予告編 の位置づけになります。楽しめましたでしょうか。続きは本編を 読んで下さい。■4/12にリターンの内容を見直しました。4/12を開いて下さい。  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 何度もお詫びして、お願いしたら、新月の神さまはわたしの無礼を許してくれた。夢を観させてくれた。隊長さんを殺った暴漢を教えてくれた。新月の神さまはわたしの個人のお願いは聞いてくれない。わたしはこれからどうなるの…は無理。今までそうだった。新月の神さまは、みんなの為に夢を降ろしてくれたんだ。一度も満月の神さまにお願いしたことは無い。今更お願いするなんて新月の神さまに失礼だ。…そうか。自力で頑張れと言われているんだ。でも今は何もできない。ならば踏ん張って、歯を喰いしばって、時を待つ他ない。今まで新月の神さまには沢山勇気をもらった。与えてくれた。お陰で人を救えた。今は黙示の激励なんだ。占冠は簡単では無い。試練が待ち構えている。今は初めの一歩。それに立ち向かえるか…と神さまは隊長さんを暴漢を殺った暴漢を教えてくれたんだ。 ありがとうございます。 ゆめは頑張ります。 逃げません。 氷空ゆめは新月の神さまにお礼と感謝と決意を込めて白の寝間着を着た。冠と脚絆と数珠も身につけた。そして眠った。 思いがけない夢が現れた。 夢はわたしが見ている景色や人を映し出していた。 知っている顔が登場しない。 移り変わる景色と人。 喋っているのはわたし。 夢の中に、わたしが、居る。 周囲を見ている。 こんなの初めて。 わたしが、わたしの夢を、観ている。―学校の帰り、北十二条駅の駐輪場で、男の人二人に声をかけられた。有無を言わさず車に乗せられ千歳に着いた。そこでジャンボ機に乗った。アラフォーの女性が、恭しく、わたしをもてなす。このジャンボ機には航空会社の名が書かれていなかった。垂直尾翼の日の丸、尾翼から機首に伸びる赤のラインが特徴。何処かで見た。テレビだ。偉い人の外国訪問は何時も決まってこの機体。政府専用機だ。千歳に配備されている。わたしは千歳から羽田向かっている様子。客は誰一人居ない。政府専用機で羽田に飛ぶとは政府でイチバン偉い人の処へ連れて行かれるのだろうか。もう夜なのに― 訳が分からない。胸苦しくなり氷空ゆめの眼が開いた。…変な夢… 夢の続きを観ようとしても眠れなかった。 窓の外を見仰げると何時ものように天の川が飛び込んできた。 大きな満月が揺らめくとスマイルマークに見えた。 授業が終わった。北十二条駅の駐輪場のスタンドに前輪を差し込み施錠していた時に背後から声をかけられた。男の声だった。「氷空ゆめさんですね」。振り返ると二人の背広がにこやかに立っていた。二十代半ばと三十歳過ぎの男たちだった。にこやかでも二人とも目つきが悪い。氷空ゆめは身構えた。「はい。そうですが。何でしょうか…」「突然ですが私どもに命令が下り貴女をお連れしなければなりません。貴女をお待ちしておりました」「わたしを…。何処へ…。あなたたちは誰…」「失礼しました」 二人は胸ポケットから身分証明書を差し出し開いた。ガラケーの折り畳みに似ていた。顔写真の上には『北海道警察警備部公安二課』。二〇代は西村拓哉。三十歳過ぎは錦戸勝。 氷空ゆめは記憶した。「あなたたちはコウアンの刑事なんだ。でもコウアンが何故わたしに用なの…。お連れするって何処に…」「私どもが氷空ゆめさんに用が在るのでは在りません。日本の政を司っている方が貴女に会うのを望みそれが私どもへの命令になった次第です」と錦戸勝が。頷いている西村拓哉。「なんだか分かんない。わたしが嫌だと言ったらどうなるの…」「その時は貴女を逮捕しなければなりません」「タイホ…‼…。あのう。わたし悪いことしていないんですけど…。日本の警察は罪を犯していない者を逮捕できないはず。わたしは善良な市民の一人。だったらタイホして下さい」「では逮捕します。これが裁判所からの逮捕状です」 西村拓哉が胸ポケットから一枚の書類を開き示した。                    氷空ゆめはまじまじと逮捕状を見つめた。初めて見た逮捕状。 『         逮捕状           氏名                     氷空ゆめ年齢                      一九歳  生年月日         一九九八年十二月十九日生まれ罪名        道路交通法五二条第一項違反(無灯火)当該住所     札幌市北区北十三条西三丁目二番十九号引致すべき場所         札幌市西警察署有効期限            平成〇〇年九月三〇日上記の被疑事実により、被疑者を逮捕することを許可する。                平成〇〇年九月十七日                             札幌地方裁判所               裁判官 山家 惣太郎 印 』                                                        「えっ。無灯火で走っていてもタイホされるの。現行犯で無ければ証拠が無いじゃないの」「これが証拠です」。西村拓哉が自分のスマートフォンを開いた。そこには氷空ゆめが三枚写し出されていた。無灯火の自転車に乗り走っていた。「あっ。忘れていた。電池切れで点灯しなかったんだ。今は交換したからちゃんと点くよ」。「では無灯火を認めるんですね」「認めるも認めないも一昨日は電池が切れてたんだ」 錦戸勝が「それではどう致しましょう。我々に逮捕されて指定された場所に向かうのか。それとも同意して頂いて千歳に同行して下さるのか我々はどちらでも構いませんが…」「千歳に行くの…。だったら向かう先は東京…」「それには答えられません。私どもの任務は無事に速やかに千歳空港までお連れする。それだけです」 錦戸勝が毅然と言い放った。


 中央図書館まではチャリで十五分。初めて入った。小学生は居ない。爺さんが多い。爺さんの多くは新聞に群がっている。婆さんは僅か。ニFには学習室。二〇人ほどが勉強している。高校生のようだけれど高校生だと学校に行っている時間。だったら浪人生だ。学習室で勉強しているんだ。 一FとニFには数えられないほどの本が置かれていた。学校には図書館がない。在るのは図書室だった。小学生用の伝記とが図鑑が多い。花南は図書室と図書館の違いを認識した。図書館には世界が詰まっている。                                 二Fの奥にはパソコンが六台も置かれていた。ひょっとしてパソコンを使っても良いのだろうか。六台は使って下さいと囁いているようだった。花南はパソコンの前に佇んだ。使ってみたいけれど使い方が全く分からない。一度も触ったことがない。白衣の女の人から声をかけられた。「パソコンを使いたいの…。だったらここで手続きして」 やっぱり使えるんだ。花南は白衣の女の人に近づいた。『相談員』と書かれたプレートが席に置かれていた。意地悪そうには見えない。太っていた。「手続きすればわたしでも使っていいんですか」「住所と名前と年齢を書くと手続き完了。貴女は小学生…」「はい。今日は学校が休みなので図書館に来ました。初めてなんです」「パソコンを使いたいの…」「はい。でも使い方が全く分からないんです」                            「では立ち上げ方とネット検索を教えます。手続きは住所氏名携帯番号」 太った『相談員』は花南をパソコンの前に座らせた。 パソコンの立ち上げ方とマウスの動かし方。ネットを開く方法を示した。するとYahooが出てきた。次に検索方法。「調べたいことがあったら枠の中に文字を入れてEnter Keyを押す。何か調べたい単語を言ってみて。このパソコンはローマ字変換だからね」「中学生の不登校」『相談員』はギョとして、それでも「中学生の不登校」を入力した。 見出しがいっぱい出てきた。「この見出しをマウスの左側でクリックすると内容が現れる。何処でもいいから見出しを左クリックしてごらん」「マウスってコードで繋がれている変な形のこれ…」「そう。マウスとはネズミ。ネズミの形に似ているからマウス」「クリックって…」「マウスは右と左があるの。左を人差し指で軽く一回押す。それがクリック」 花南は言われた通りに、見出しの一番上を、軽く一回、人差し指で押した。―― 不登校になるきっかけ   ①腹痛・頭痛・下痢・吐き気   ②起立性調節障害(朝起きられない)   ③人間関係(友達・先生)   ④部活動のトラブル   ⑤勉強の遅れ   ⑥精神的な疲れ   ⑦ゲーム依存   ⑧原因不明   ■不登校者数                                 ①中学一年…23,959人   ②中学二年…34,832人   ③中学三年…38,832人   (平成二六年) ―― 花南は現れた文面に喰い入った。 登校拒否はすべて不登校に組み込まれていた。 ①から⑧にはイジメが書かれていない。特別な目もない。③の人間関係と⑥の精神的な疲れはどうして起こったのかに触れていない。こんなのでは参考にならない。ただ不登校者の多さに驚いた。それも中一から中三までに一万五千人も増えている。この生徒たちは高校へ進学するのだろうか。しないと思う。中には卒業証書が発行されない人も多いはず。 やはりパソコンは凄い。知りたいと思ったことに容易く辿り着く。それでも分からないことは必ず出てくる。諦めないで色んな方法で追及する他ない。パソコンで、あっちに行き、こっちに帰って、追及できそう。                         「検索の方法は分かったでしょう。パソコンを使える時間は一時間。それ以上使いたかったら再度申し出る。他に使いたい人がいなかったら継続して使える。パソコンを閉じる方法はまた今度。今日は私がOffにするから。あなた。パソコンに興味ありそう。此処にはパソコンの操作方法やパソコンの機能を書いた本が沢山揃えてあります。調べて分からなかったら聞いてね」「はい。調べてみます。本を借りたい時はどうしたらいいのですか…」「図書カードを持っていないと貸出できない。作りましょう。貴女が貴女であるとの証明が必要。多くの人は免許証で自分を証明できる。貴女には無理。でも他にも方法がある。区役所から発行される個人ナンバーカードで大丈夫」「そうですか。個人ナンバーカードはテレビで知っています。これから区役所に行って作ります。作ってからまた来るので宜しくお願いします」  一週間後に本を借りられた。借りられるのは本だけではなかった。DVDも借りられる他に図書館の再生機で見られる。DVDも沢山書棚に並んでいる。観たいのが沢山あった。皇帝ペンギンやアザラシ、北極熊も。『日本人は何を食べてきたのか。何処から来たのか』。『ブラックホールの謎』。『月から見た地球』。『縄文人のDNA』。見出しだけでワクワクした。借り放題。観放題。本は何台もある検索用のパソコンにカタカナを入力して検索をクリックすれば画面に出てくる。『詳細をプリント』をクリックすると他の図書館の蔵書の有無と冊数、貸出が記載されている。二Fのパソコンに向かう前に練習済み。花南は『林修』で検索してみた。林先生の本はテンコ盛りだった。 こうして花南の図書館通いが始まった。■『どうせ死ぬなら恋してから(上)侵入者』は明日のその12で終了します。■4/12にリターンを見直しました。活動報告の4/12をクリックして下さい。


 その夜、氷空ゆめは若君の夢を観た。新月では無かった。念じずとも儀式せずとも若君が現れる予感があった。その通りになった。夢の中で「やっぱり若君だ」と神さまに感謝した。若君は舞台でギターを弾いている。何時もの戦国ヘビメタ衣装で歌舞伎のメイク。爺も殿も若君の後ろに控えている。姫がマイクを持ち観客に語りかけている。『バンド甲子園』の横断幕が舞台の上に吊るされていた。 毎年冬休みに入ると直ぐに『バンド甲子園』の札幌地区予選が開かれる。ここでの二位までが道予選の出場権を得る。北海道予選でグランプリに輝くと元旦の東京での全国大会に出られる。ここからメジャーデビューしたバンドも少なくない。謂わば登龍門。  ほら貝が鳴った。太鼓が打たれた。打音が早まる。戦さだ。若君と爺と殿のフォービートに乗り、キーボードを前にして姫が唄う。——わたしは静かに時を待つ   むやみに騒ぐのは愚か  その時を待つ   その時には牡丹の花が咲く  その一瞬を待っている   その一瞬に生きている  この一瞬があれば生きてゆける  牡丹の花が開いた  シアワセになれなくても   わたしはシアワセ  わたしの傍らで情熱の牡丹が花開くなら——『情熱の牡丹』の新しいバージョン。元気そうだ。前よりも綺麗になっている。色白。笑顔が可愛い。妖精に観えてしまう。わたしと云えば色黒。ソフトボールかサッカー部。おまけに足軽。悲しいかな顔つきも身体つきも幼い。女子力では到底かなわない。若君とは夢の中でしかつき合えないのかも…。予知夢は『戦国時代』が予選を突破したのかを教えてくれなかった。年が明けると、みんな、受験。若君も進学するに違いないけれどどうするのだろう。                           若君に助けられて今のわたしが在る。「好かん」に打ちのめされても、「頼っているから」と言われても、「嬉しくない」とダメ出しされても、「オナゴとはつき合わない。気が緩む」と拒絶されても、わたしが、今やらなければならないのは諦めないこと。次を考えること。コクって「やったぁ~」と浮かれたかったけれど、嘆いては居られないのだ。新しい世への突破口を考え出さなくては…。 氷空ゆめは人を動かす、人を変えるにはどうしたら良いのかを考え続けた。若君の斬新もヒントになる。人間は感動できる。魂を震わせる感動に打たれたいと願っている。無意識で何時も感動を求めている。感動してもらうにはどうしたら良いのだろうか…。 新しい世を創るには感動が…と考え始めた。何とかせねばならぬ。考えても考えても答えが出ないのは知っている。それでも考えさせられる。具体的な追及無くしてこれらの答えの方向性が見えて来ない。これも分かっている。若君も考えているのだ。 日本が今イチバン困っているのは何だろう。地震と津波が浮かんだ。今でも困っている人たちが居る。肉親を亡くした多くの人たちの悲しみが渦巻いている。故郷に戻れない人たちも多い。町ぐるみで戻れない。地震と津波は防げない。発生後の対策しか取れないのが実際の処。人知で解決できて困っているのは原発だ。今すべての原発を止めても処分場が無い。無いから続けているんだ。高レベル核廃棄物恒久処分場。これが日本が最も困っている処。何時か何処かに建設しなくてはならないのに全く目途が立っていない。 先ずは地盤がしっかりしていて活断層が無い処。火山と無縁の処。冬の寒さが厳しい処。人口が集中する大都市から離れている処。港からの交通アクセスが良い処。地域住民の合意形成が可能な処。 ここまで考えると氷空ゆめの脳に灯りが点った。…在った。やったぁ~。母さんの故郷占冠。爺ちゃん婆ちゃんと二人の叔父さんと連れ合い。四人の従妹が暮らしている。百頭以上の牛も。二匹の犬も。十五羽の鶏と二〇頭の豚が暮らしている占冠…


 花南は健太へのイジメが忘れられなかった。 ばいきんまんのシールが貼られていた健太のランドセル。 それを発見した時に健太がイジメられていると確信した。 花南は問い質した。「健太。大丈夫なの。イジメられてない…?…」 健太は下を向いたまま答えない。「誰がばいきんまんのシールを貼ったの」「分からない。ある日貼られていた。でもこれはイジメではないよ。僕。ばいきんまんもドキンちゃんも好きだからそのままにしているんだ」「健太はバイ菌と呼ばれていないんだね」 健太の返事は曖昧だった。 次の日。花南は気になって健太の下校を物陰に隠れて待った。健太が三人と歩いていた。こともあろうに健太は三人分のランドセルを持っていた。自分のは背負っている。三つを落とさないように頑張っていた。ランドセルは重い。ひとつ五キロはある。健太がフラフラしているのを三人は笑って見ている。ひとつを落とした。その時一人が健太の胸を小突いた。健太はその衝撃で二つを落とした。三人が健太を囲み非難している。「お前のランドセルと違ってもらったものではないんだ。買ったんだぞ」 三人が健太を代わる代わる小突き始めた。 健太は耐えていた。歯を食いしばっていた。…もう我慢できない… 花南は健太にダッシュ。三人にキックを入れた。飛び蹴りは最初に小突いた男の子に。残りの二人には回し蹴り。飛ばされ、歩道に転んだ三人は、蹴りが入ったところを押さえ、あわてて自分のランドセルを拾った。「あんたたち。健太をイジメたら承知しないからね。健太に謝りなさい」 三人は健太に謝らずに走って逃げた。 健太は花南に抱きつき泣きじゃくった。「健太はどうして何でもないって嘘をついたの」「姉ちゃんに面倒をかけたくなかったから」「バカ。だから時々心配になる。面倒をかけたくないと考えるのは分かるけれどそれが後々大きな面倒になるんだ。イジメられたのは生活保護かい」                                「いや。生活保護は知られていない。母子家庭なんだ。『お前。父さんがいないんだ。死んだのか。何処かに消えたのか。どっちなんだ』。これが最初」「ひとつ質問。アイツらが言っていたもらったランドセルとは…」「ランドセルにマジックで書いた僕の名前がこすれて薄くなった。そしたら違う名前が下から出てきたんだ。それでさ」「分かった。イジメはイジメられている本人では解決できない。守る人間が現れないとイジメる側が飽きるまで続く」「本当はバイ菌と呼ばれてシールを貼られたんだ」「やっぱり」「あの時、姉ちゃんは凄かった。顔が真っ青。『仮面ライダー01』のキックだった。あいつらが逃げなかったら続けて二発三発とパンチする形相だった。あれからあいつらは僕をハブった。でもそんなのは気にならなかった。姉ちゃんのお陰さ。あの時に僕は姉ちゃんの家来になると決めたんだ」            健太は今でも遠くを見つめてその時を呟く。健太はケンカできない弱虫ではない。でも健太はイジメる奴にパンチしない。健太は実は強いのかも…。 小三のイジメはこんな程度。たわいない。中学生になるとこうはゆかない。 男子の場合は集団での暴力。それから「金持って来い」。女子とてあなどれない。さすがに殴る蹴るの暴力にならないけれど、休み時間に、椅子に座っている後ろから、ポニーテールをばっさりハサミで切ったりする。これって立派な暴力。他は陰湿。靴入れロッカーの上履きを隠したり、靴の中に画鋲を入れたり、ハブるのは日常茶飯事。あることないことの悪口を少し本人に聞こえるように喋る。「うざい」「きもい」「死ね」を直接言ったりする。携帯でLineやメールで悪口の拡散。こうなると止めようがない。男子では自殺の練習まである。本当に自殺しても痛みを感じない。次のターゲットを探すだけ。 イジメる奴は退屈している。ゲームと同じ感覚。自分は安全な処を確保して「イジメられる方が悪い」。「イジメられる方に原因がある」と自己肯定に終始する。イジメることで自分の優位に満足する。  花南の登校拒否が始まった。母は朝食とお昼のお弁当を作ってくれた。自分のお昼も。健太には給食がある。母と健太を送り出すと、洗濯機を回して掃除と食器洗い。洗濯が終わり乾燥機から終了音が鳴るまでに掃除も食器洗いを終えている。ものの一時間も経っていない。 今日から花南が夕食を作る。母から二千円を渡された。「これで夕食の献立を考えて。足りなかったら言って」。今までは夕食も母。お手伝いしても主役は母。献立を考える必要はなかった。今日からは考えなくては…。 二千円で何が買えるのだろうか。二千円で何を作れるのだろうか。お米はたくさん在った。調味料も揃っていた。健太を児童館に迎えに行くまでたっぷりと時間がある。学校に行かないと母を少し楽させられる。夕食を作ってやれる。 花南はこれが嬉しかった。今までは母が夕食も作り、食べ終わると、コンビニでまた三時間働く。今日からこれが変わる。                                 難しいものは作れない。何を作ると美味しいと言ってもらえるのだろうか。こうした時は自分が食べたいものを考えたら…が浮かんだ。食べたいものとは特にない。何でも美味しく食べてきた。健太もそうだ。一度に沢山作れて、健太が「もうお腹いっぱいだ」とひっくりかえってしまう献立とは何だろう。手間がかからないのは鍋。ひとつ鍋を三人で囲む。花南は鍋が好きと云うよりも三人で囲むのが好きだった。温かくてシアワセな気持ちになる。 母は料理本を持っている。台所の棚にある。鍋を開いた。鍋と云っても種類が多い。健太は魚よりも肉が好きだ。『鶏の水炊き』が目に入った。母は作っていない。鶏肉は安い。今日は安売りの火曜日。決めた。やってみよう。レシピには四人分と書いてある。健太がいるから四人分は丁度良い。どのレシピも四人分で書かれてあった。助かり。 花南はレシピを読み込んだ。これは簡単。出汁を取らなくても良い。土鍋に水を二ℓ。鶏の胸肉の脂身をこそげ取り水が沸騰したら入れる。これが出汁。脂身を取った胸肉を一口大に切り分ける。大切なのは大根おろしとアク取りと書いてある。ポン酢醤油に大根おろしをまぶして食べる。加減はそれぞれで調節。大根・人参・豆腐・白菜(白菜は欠かしてはいけない。甘味が出る)・舞茸・葛切り。ごぼう(ささがきに切って水に一〇分間晒してアクを抜く。水から煮る。これで風味が深まる)。手間がかかるのは大根おろしとごぼうだけ。調理開始から三〇分もあれば完成できる。胸肉から脂身をこそげ取るのと大根おろしとささがけは調理前に準備できる。脂身はサランで、大根おろしとごぼうはタッパー。健太の為に餃子も用意しておこう。もの足りなさそうにしていたら餃子を焼いて出す。こうすれば健太は満足する。 花南は必要な食材をメモしてスーパーに出向いた。混んでいた。迷わず食材と冷凍餃子を買った。全部で九八〇円だった。安上り。 家に戻り下ごしらえを終えた。まだ十二時前。母が作ってくれたお握りをひとつ食べた。健太を迎えに行くのは一七時。それまでの時間をどう過ごすのかはとても大切。登校拒否児童は勉強が嫌いなのではない。いっぱい勉強して社会や科学の知識を吸収したい。それらを学校で得られないなら別の方法を見つけなければ勉強が苦手なただの不登校児童になってしまう。学校以外で勉強できる処とは何処だろう。塾か図書館。 花南には塾に行く選択肢がなかった。塾はお金が要る。学校が終わった夕方から始まる。例え塾に行ったとして顔見知りばかり。学校と何も変わらない。だったら図書館。とにかく行ってみよう。行ってみてから考えよう。■4/12にリターンを見直しました。4/12をクリックして見て下さい。


「わたしのやってみなければ分からないはダメなんだ」「単純にやってみると云うのは無謀だ。結集した兵の士気と敵の総合力の分析。そして兵法が問われる。兵法とは作戦。兵法の基本は書物に書かれておる。戦国の武将たちは幼い頃から暗記するほど読み込んでおる。よって書物の兵法だけでは勝てない。書物にはひとつの戦法に対する構えと反撃も認められているからだ。勝つには奇襲も常道も斬新が必要なんだ。斬新とは誰も試みていない戦法。初めての戦法に遭遇したならば敵は慌てる。対処に手間取る。この対抗手段で良いのか、勝てるのかの不安を抱える。これが勝ちを導く。ひとつの斬新は一度しか使えない。敵もしたたか。真似したり対策を建て挑んでくる。やってみる時には、やり方が斬新か、どうかの研究を欠かしてはならぬ。やってみなければ何が飛び出してくるか分からない。拙者はそれだけでは不満である」「若君がわたしに言いたいのは用意周到なんだ」「そうだ」「あい分かった。かたじけない。若君に尋ねたい」「何でござろうか」「若君の空っぽと欠損。あっ。そうか。空っぽと欠損は同じ意味。欠損したから空っぽ。そこに行き着いた背景を説明して下さい。できるだけ分かり易くお願いします」「反原発運動を言いたい。チェルノブイリ以降日本の反原発運動は高揚する。しかし原発推進政策を止められなかった。その結果が福島。サークルの思い出作り。唄って踊る反原発運動だったと皮肉る者もおる。『建ってしまったものはしょうがない』。これも日本人の特質。諦めが早いのも日本人。反原発運動は敗れたのだ。それへの総括がまったく為されていない。総括とは反原発運動が政府と電力会社の方針を何故変えられなかったのか。ただその一点。総括し                          ないのは敗れたとの認識が無いからだ。福島の仇を討つには何をするのか。反原発運動は兎に角やってみる行動の無残な結末。絶望的な気持ちに陥ったのは反原発運動の欠損と空っぽを知ってからだ。ゆめ殿にもうひとつ申したい。これを公言した時には確実に村八分になる。聞きたいか…」「少し恐いけれど聞きとうござる」「ならば申す。福島原発爆発で海も土地も大気も汚染された。住んで居る者たちは逃散を余儀なくされた。農業者も漁業者も商工業者も生業が立たなくなった。この意味ではすべて被害者。しかし拙者は被害者で在っても意味合いが異なると解している。逃散した者たちは原発誘致、建設、稼働に賛成したのだ。爆発して住めなくなり、生業が立たなくなっても、自業自得と考えている。今は落ちるしかなくなったが爆発前は原発で潤った。潤った時を無きものにして一応に被害者面は納得できぬ。落人に追い打ちをかけたくないが被害者にも自業自得を意識してもらわなければならぬ。落人が言えるのは…信じていた国と東電に騙された…くらいだ。これは愚の骨頂。騙されるのは愚か。これも意識してもらわなければならぬ」「これは本当に村八分なる。わたしも村八分になるのかなぁ…」「それは覚悟せねばならぬ。欠損した脳と空っぽな日本人の意識を変えようとするのだから世間からの迫害や逆襲もある。そのひとつがゆめ殿へのつけ回し」「わたし。厄介者なんだ」「そうだ。ゆめ殿だけでなく親父たちもそうじゃ」「あれっ。若君は違うの」「拙者は『戦国時代』。厄介者に昇格する一歩手前におる」「なぜ。わたしや七人の侍人が厄介者で若君は一歩手前なの…」「ゆめ殿はジジイたちと戦わなければと宣言した。親父たちは、みな、若い頃から世間と闘って来た。それが今も続く結束の絆だ。拙者はいまだ相手を特定していない」「わたしからは充分に厄介者に写る。日本人のすべてを相手どって欠損と空っぽと規定した。それはそれとして。わたし。福島の事故の後でも原発再稼働を試みる政府と電力会社の方針に疑問を持っている。疑問と言うよりこれではダメと捉えている」                                      「日本では社会運動が国家方針を覆したり運動の理念を社会に定着させた経験がない。その未経験は運動の初めから頓挫を前提にしているようだ。頓挫するとあっさりと諦める。残るのは当事者同士の祭りの高揚感だけ。これでは運動は引き継がれない。かつての反原発運動がやらなければならぬのは送電線の解放」「そうそう。やろうとすれば出来る。わたしは電気料金が高くなっても構わないと思っている。高くなった対策は幾らでも取れる」「自然エネルギーに転換したら確実に電気料金は値上がりする。四二基の原発の廃炉と高レベル低レベルの処理と処分費用をここぞとばかり電力会社は電気料金に上乗せしてくる。現在は電気料金に含まれていない。もちろん意図的に…だ。原発電気は安いと言い続けてきたからだ。今の倍の料金になってもおかしくない」「それってインチキだよね」「インチキは他にもある。日本の自然エネルギーによる発電は事業として成立する見込みが立っていない。発電しても電気を必要とする処に送らなければ売り上げに繋がらない。送るには送電線を使用しなければならぬ。その送電線の所有者は電力会社。現在二〇%も使っていない送電線を使わせない。原発が再稼働した時の為の余力と主張する。これでは幾ら発電しても無駄になる。原発を止めない思惑がまかり通っている」                           「それは知っている。初めのうち電力会社は送電線の容量が一杯だから使用は無理と言っていた。原発は稼働していない。変だなと思った人が調べると二〇%を割り込んでいた。それから主張を変えた。これはインチキではない。嘘つき」「政府が送電線を電力会社から切り離し、新たに送電会社を設立した時には、送電線使用は直ぐにでも可能になる。会社とは二〇%も使われていない状態を放置しない。政府は電力会社の大株主。大株主は送電線を電力会社から切り離さないと決めている。野党も眼をつぶっている。これでは日本の自然エネルギー開発の出口が塞がれている今が変わらない。政府の自然エネルギー開発奨励は原発依存への批判をかわすだけのアリバイに過ぎない」「これだけでも脳の欠損と空っぽ。嘘つきの証明になりそう」「そうだ。ゆめ殿は日本人の深層に挑むのだろう。簡単にはゆかない。嘘つきと欠損と空っぽを埋めるにはこれからの国家像を示さねばならぬ。いま日本の政を司る者たちには日本をどのような国に創り上げたいのかのヴィジョンが無い。今の継続で良いと想っている。それは無意識の領域まで支配している。日本は良い国だと。アメリカに護られ経済を発展させる国家で良いのだ。中にはアメリカに護られていると認識していない者も居る。憲法が日本を護っていると思っている戯けた大人も多い。ゆめの殿の挑戦の出発点は此処に在るはず。これからを描かなければ支持されなければ広がらない。一八歳女子高生の主張と六九歳の雄叫びは斬新でインパクトが在る。雄叫びを定着させるには兵法も斬新でなければならぬ」                                                                                                      「兵法の斬新は了解できる。戦国時代は命が懸かっているから人間の行動原理も明確。領主と領民の行は民主主義のよう。でも若君の無意味無理無駄は寂しい。それでは何か寂しい。やっぱ。空っぽと欠損をどうにかしなければ日本人は生まれ変われない。再び福島を起こしてしまう。嘘とインチキがまかり通る世の中は、わたし、嫌だ。若君は社会運動は無駄と言った。でも若君からは何とかしたいとの波動が伝わって来る。若君はどうしようと…」「それが分からないから『戦国時代』をやっておる」「そうなんだ。ちょっと辛いね」「ゆめ殿にもうひとつ問いたい」   「なに」「姫を助けてもらったのに甚だ無礼かも知れぬが許せ」「何なのなかぁ…。分からないけれど許します」「ゆめ殿は予知夢に頼り過ぎているのでは…。予知夢が在るから真直ぐに物事を考えられるのではないか。やってみないと分からないと言えるのではないか…」「予知する夢を大切にしているのはダメなの…」                           「ダメとは申しておらぬ。予知夢との縁がなければゆめ殿の真直ぐが変わるのではと考えたまでだ。気に障ったら許せ」「そう言われても何と返事して良いのか分からない。頼っていると言われたならそうかも知れないとしか言えない。頼っているから真直ぐに物事を考えられると言われたらそれは違うと言える。やってみないと分からないは小っちゃい頃から。わたし。真直ぐに生きろと予知夢に励まされて来たように思っている。幼い頃に宿ってくれた予知夢はわたしの守り神。守ってくれている神さまからの応援。よこしまに生きていたなら神さまに叱られる」「なるほど。ゆめ殿を守ってくれている神さまに叱られるんだ。予知夢は念じるなら必ず現れるのか…。現れないことはないのか…」「失敗も沢山あるんだ。念じても現れない。現れたとしても記憶に残らない。これらが失敗。たぶん何処かよこしまな願いなんだと想っている。念じると現れてくれた。念じずとも現れてくれた思いがけない夢は神さまの応援。頑張れと言ってくれる」「よこしまとは何であろうか」「身勝手。打算。好都合」 若君が初めて笑った。老成したかのような表情から少年に変わっていた。『戦国時代』の舞台で叫び、唄い、走り回っている時の表情だった。氷空ゆめは少年に戻った若君の笑顔が眩しかった。そして嬉しかった。けれど笑顔のままの若君から追い打ちが在った。「拙者は予知夢が好かんのだ。戦国に生きておる者たちは全員がリアリスト。他者に分かってもらえない予知夢に頼っては生きられない。拙者は予知夢の力をまざまざと知った。それでも好かん」 氷空ゆめは背骨が砕けそうになった。椅子にもたれかかるのがやっと。「好かん」のダメージに打ち砕かれていた。それと「頼っているから真直ぐに生きられる」も込み上げてきた。「好かん」は好みの問題。致し方なし。無理やり気分を変えようとした。それでも…わたし。頼っているのかなぁ… だったら頼らずに生きてみる。若君に「頼らずとも真直ぐ生きられた」と言わせなくてはならぬ。でもそれは無理。小っちゃい頃から予知夢と一緒に生きてきた。頼ろうが、頼らまいが、わたしの血肉と心根のひとつ。それを否定して削除したなら、わたしはわたしで無くなる。予知夢を「好かん」と言われたのは初めてだった。でも予知夢に頼らずに生きてゆけるかも…。今日はコクろうと思っていたのに出鼻を挫かれてしまった。ここは頑張り処。踏ん張り処。チャンスはそうないのだから。「拙者は幼き頃から父上に『政から眼を離すな。反らしてはならぬ』と。日本と日本人は戦さと向き合わなければならぬ時が必ず来る。その時に今のような弱虫のままであったら日本を護れない。戦さと向き合いつつも和平の道を探り実現する。これが政の極み。しかし弱虫ならば足元を見られ敵が攻め込んで来る…と」                           「攻め込まれるって何処から」「先ずは隣国から。日本は既に攻め込まれた。拉致がそうだ」「なるほど。話が反れてしまうけれどひとつだけ聞いてもイイ…」「…」 氷空ゆめはコクるのは今だと思った。若君の話しがひと段落した今でなければコクれない。今を逃せば何時コクれるか分からない。「若君は姫とつき合いたいと想っているの。姫はわたしに『妬ける』と言った。そのとき姫は若君を好きなんだと思った。姫は何時か若君とつき合いたいと想っている。でもね。何か変なんだ。姫は子宮頸癌だった。エッチが発生の原因と先生が言った。姫が今つき合っている男子を若君は知っているの…」「そのようなことを想っていたのか。知らぬ。姫とは『戦国時代』以外の接触は無い。何も知らぬ。ひとつ申す。四人が揃って舞台に立たないと『戦国時代』で無くなる。姫ほどの歌い人は滅多におらぬ。姫とつき合い、イチャイチャしていたら、爺や殿はどう思う。雰囲気が悪くなる。和が保たれなくなる。そうなれば解散だ。拙者は切腹して爺と殿に詫びなければならぬ」「分かった。だったら若君。わたしとつき合って…」「拙者は誰ともつき合わないと決めておる」「えっ。なぜ」「拙者は何時撃たれるやも知れぬ。その時につき合っているオナゴがおればその者が悲しむ。それにオナゴとつき合うと気が緩む」「若君。何かヘン。弱虫みたい。気が緩んでもイイじゃない…。どうしてつき合っているオナゴと一緒に戦わないの…。考えないの…。わたし。神さまにお願いして若君を守る。予知夢で若君を守る」「拙者を守ると申すのか…。予知夢で守られても嬉しくない」「嬉しくない」は堪えた。「好かん」の次が「嬉しくない」。氷空めは力を使い果たす寸前。ありったけの力を振り絞った。「オナゴとつき合わなければ世継ぎはどうするの。オナゴから逃げている若君はなんかヘン。弱虫みたい。若君は空っぽの日本人とは違う弱虫。ちょっとガッカリ」「世継ぎは考えておらなんだ。いずれ考える時が来るであろう」「若君もわたしと同じく未熟なんだ」「そうだな。未熟だな。未熟でもゆめ殿を守れる。ゆめ殿が何者かに襲われたら身体を張って守る。それで命を落としたとしても悔いはない。臆して、命を惜しんで、守れないならば生涯の屈辱じゃ。国を護るのも、大切な人を守るのも同じ。命を賭して戦わなければ護れない。守れない。日本が敗戦前のような愚かな、どうしようもない国に成り果てたら拙者は皆を引き連れ脱出する」「逃げるの…。何処に…。わたしはどうなるの…」                           「一緒だ。拙者は様々を申した。政と社会運動の空っぽ。無駄と無意味。それでもこのままで良いとは微塵にも考えておらぬ。しかながら正す手立てを見つけておらぬ。問題点や課題を指摘するのは易い。誰にでも出来申す。拙者はゆめ殿と考え、練り上げ、新しき世を創ってゆきたいと思っておる」「ありがとう。でも若君。わたしのつき合って…を忘れないで。わたし。時どきでイイから若君と二人だけの時間を持ちたい。今日のような討論は望みのひとつ。欲張りかも知れないけれど一緒にマックを食べたりゲームで遊んだりしたいんだ」「あい分かった」…「あい分かった」と言われても、何か、速攻で振られたみたい。若君がわたしをどう想っているのか今いちハッキリしない…■4/12にリターンを見直しました。4/12をクリックして見て下さい。